課金代わりに“うんこ報告”も、ヘルスケアにゲームを(page 3)

ユーザーのモチベーションを高める「ゲーミフィケーション」を生かせ

2019/01/15 17:30
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

“主人公”になれる

 うんコレは、ゲームを活用したヘルスケアサービスといえる。こうした“ゲーミフィケーション”の手法は、これからのヘルスケアサービスに必要な視点の1つとなるだろう。これまでのヘルスケアサービスではあまり重視されていなかったユーザーを楽しませる視点を盛り込めるからだ。これにより、健康無関心層を取り込む妙策と成り得る可能性がある。

ゲーミフィケーション デザイナーの岸本好弘氏
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 加えて、ゲーミフィケーション デザイナーの岸本好弘氏は、ゲームを活用する一番の強みは「体験できること」だと話す。映画やテレビ、漫画などのエンターテインメントは作り上げられたものを受け手として楽しむのに対し、ゲームは筋書きをそのままなぞるのではなく、主人公を操作して介入することができる。それによって、ユーザーのモチベーションを高められるのだ(別掲記事「ラジオ体操もゲーミフィケーション!?」参照)。

 例えば、HIKARI Labが手掛ける、認知行動療法を学べるRPGゲーム「SPARX」も、こうしたゲームの強みを生かしている。SPARXは、ネガティブな気分がモンスターとして存在する架空の世界で、主人公がモンスターと戦って世界を救うゲームだ。ゲーム内では、心理療法の一種である認知行動療法を応用した質問が出され、選択肢の中から適切な回答を選択するとモンスターを倒すことができる(関連記事12)。

SPARXの画面イメージ
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学んだことを振り返ることもできる
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HIKARI Labに所属する精神科医の鈴木航太氏
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 HIKARI Labに所属する精神科医の鈴木航太氏は、外来患者にSPARXを勧めたり、精神疾患を抱える患者が集ってリハビリテーションを行う精神科デイケアでSPARXを利用したりしている。eラーニングのように受け身で学ぶのではなく、ゲーム内で「困っている人を助ける体験ができるのが良い」と同氏は言う。

 一般には、学習内容の定着のしやすさを示した「ラーニングピラミッド」においては、講義を聞くよりも、実践による経験や練習を積むなどして能動的に関わることで記憶の定着が高まるとされている。鈴木氏は以前は認知行動療法の本を患者に勧めることもあったというが、「能動的にキャラクターを動かすため、ゲームを利用した方が記憶に定着しやすい」と見る。

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