うんこ観察の習慣を“刷り込む”

日本うんこ学会 会長で秋葉原内科saveクリニック 共同代表の石井洋介氏
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 うんコレを開発した目的は、「便を観察する習慣を身に付けてもらうこと」だと日本うんこ学会 会長で秋葉原内科saveクリニック 共同代表の石井洋介氏は言う。もし異変があれば医療機関を受診するという行動変容につなげることを狙っている。

 例えば、大腸がんは“サイレントキラー”とも呼ばれ、排便にしか症状が出ないのが特徴だ。大腸がんに限らず、大腸関連の疾患の多くは排便に異常が現れる。しかし、便を観察する習慣がなければ、血便が続くなどの異変が現れたとしても大腸の疾患と気づかずに発見や治療が遅れてしまう恐れもある。便を観察することを習慣化するためには、動画やポスターを使った啓発よりも、継続的かつ主体的に関われるゲームが有効だと考えたのだ。

 ゲーム内では石井氏らの臨床経験を用いて、便秘が続いている人には解消法をアドバイスしたり、注意すべき症状が見られる人にはアラートが出たりする仕組みになっている。いずれゲームをやめてしまっても、「便を観察する習慣が身に付いていたり、血便が出たら大腸疾患の可能性があることを覚えてくれていたりすれば良い」と同氏は語る。

報告内容に応じてアドバイスがもらえる(提供:石井洋介氏)
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悪性の新生物を倒す画面(提供:石井洋介氏)
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 このほか、ゲーム内には医療の知識が自然と身に付くような工夫もふんだんに盛り込んだ。例えば、「ハルトマン」というキャラクターの名前は、大腸がんの手術「ハルトマン手術」に由来している。「元ネタを調べるというゲーマーの習性を利用した」と石井氏は説明する。ハルトマンという名前の由来が気になった人が自発的に検索することで、大腸がんの情報に触れられるというわけだ。

 まずは、「ゲームを通じてどれだけ医療情報を伝えられるかを医学的見地から検証したい」と石井氏は意気込む。人の行動変容にどれだけ寄与できるかも検証していくという。