もし特区をつくるなら、どんな多職種連携を進める?

いよいよ最終回、実証モデルの提案を皮切りに議論開始

2017/06/05 08:30
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 日経デジタルヘルスは2017年5月25日、座談会「情報化が切り拓く、ソーシャルホスピタル実現への処方箋」(座長:医療法人社団 鉄祐会理事長でインテグリティ・ヘルスケア 代表取締役会長の武藤真祐氏、特別協力:日本マイクロソフト、インテル)の第3回を開催した。本企画は、医療界やアカデミア、行政・地方自治体、産業界など、さまざまなキーパーソンが参加する全3回の座談会で、今回が最終回である。

第3回座談会の様子(写真:加藤康、以下同)
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 2017年1月27日に開催された第1回では、2020年の医療・健康・介護・社会保障制度のあるべき姿と現在のギャップをテーマに議論が交わされた(第1回座談会の様子はこちら)。続いて4月7日に開催された第2回では、多職種連携の各ステークホルダーが担うべき役割の変化や、多職種連携などの仕組みが技術的には可能でも、なぜなかなか実現できないのかをテーマとした(第2回座談会の様子はこちら)。

 以上の議論を踏まえ今回は、多職種連携の新たな仕組みを実際に運用することを想定した実証モデルについて議論が進んだ。

「医療コンシェルジュ」が連携のハブに

座長を務めた武藤真祐氏
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 まず、座長を務める武藤氏が「これまでできなかったことができる『特区』と呼べるような場所を想定し、そこでどのような多職種連携の仕組みを作っていけるかを考えよう」と口火を切った。これを受けて、日本マイクロソフト 医療市場担当の遠山仁啓氏が、同社とインテルが共同で検討した実証モデルについて提案した。

 この提案は、これまでの2回の座談会でパネリストから指摘が出た、多職種連携の現状の課題を踏まえたもの。すなわち、各専門職がその時々に応じてアドホックに連携するというやり方では、医師だけに情報が集中したり、患者にも負担が掛かったりするという課題を踏まえ、情報連携のハブになる「医療コンシェルジュ」を置くというものだ。

過去2回の座談会での議論を踏まえ、日本マイクロソフトとインテルが提案した実証案。今後、全3回の座談会で出た意見を基にアップデートし、実際の実施に向けた調整を進める計画だという。(図:日本マイクロソフト)
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 例えば、京都大学医学部附属病院 医療情報企画部 教授の黒田知宏氏や、ファルメディコ 代表取締役社長の狭間研至氏の意見が基になっている。黒田氏は、利用者の立場に立って利用者が求めるモノを取り揃えてくれる百貨店の“外商さん”のような存在が、医療の世界にもあるといいと提案(関連記事1)。狭間氏は、患者が薬を服用した後のバイタルデータをまずは薬剤師がモニタリングし評価するなど、“非医師”へのタスクシフトによって、医師がより時間を有効に活用できるようになるという指摘をしている(関連記事2)。

 医療コンシェルジュは、各専門職と情報共有するとともに、それらの情報に基づいてクラウド上に構築される患者データ基盤を管理する役割を担う。医療コンシェルジュを務めるのは、まずは人だと想定するが「将来はBot(AI)も生かせる」(遠山氏)。

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