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「とにかく忙しい」と語る医師の実態を白日のもとに

武井 貞治氏 厚生労働省 医政局医事課長

2018/06/12 22:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 医療者の働き方改革について議論する際に、しばしば問題になるのが「応召義務」の存在です。医師は常時、急な患者に対応しなくてはならず、このことが長時間労働の大きな要因になっています。海外でも空港で誰かが倒れたりしたら、メディカルスタッフがすぐに駆けつける。救急医療を提供する体制は、基本的にどの国にもあるわけです。

厚生労働省 医政局医事課長の武井氏(写真:加藤 康、以下同) 
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 日本が少し特殊なのは、これを法律で定めたことです。応召義務は医師法に記載されており、そのルーツは明治時代にまでさかのぼります。こうした背景が医師の長時間労働を招いているならば、それをいかに解決していくか。我々は今まさにこの点を議論しており、来年(2019年)3月までに一定の結論を出したいと考えています。

 「自己研鑽」をどう捉えるかも問題です。若手の医師が緊急手術に参加した場合などは、これが自己研鑽か業務の延長かの線引きが難しい。こうした点にどう対応するかについても議論を進めています。

 まずはこうした、医療現場ならではの特殊性を明らかにしていく。その上で法律や歴史、海外の取り組みなどに照らして、どのような処方箋があるかを議論したいのです。私達はこれを目的に「1分間タイムスタディ」と呼ぶ試みを始めました。

 1分間タイムスタディでは、医師がどのような業務をしているかを、看護師などがそばに付いて1分単位で記録していきます。8時29分に電子カルテにログインし、8時34分にカルテを記入し始めて…といった具合。長い場合は24時間以上分の記録を取ります。

 こうして医師の業務を見える化し、数値化する。これにより、「とにかく忙しい」と語る医師の言葉の中身を具体的に明らかにしていくのです。

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 狙いは、医師の業務のどの部分をシフトしたりシェアしたりできるかを、データに基づいて議論できるようにすること。業務量はどれほどあるのか、どうすればそれを削減できるのか、政策で対応できる点は何か。こうした検討の材料にできればと思っています。

 まずは働き方改革の視点から取り組んでいますが、さらなる発展性もあるでしょう。研究デザインを工夫することで、医療機関が得る診療報酬や患者に与える満足度に、医師の働き方がどう影響するかなどを検証できるかもしれません。

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