巨大な円筒形の機械が地中を掘り進める。進行方向の円盤に取り付けたカッターが回転しながら土を砕き、発生した土砂は後方に排出。掘り進めた壁面は、コンクリートで作られたブロックで固められていく。

 これは、建設機械「シールド機」でトンネル工事をしている風景である。シールド機は、道路上やトンネルや地下のトンネルなどを構築するために使われる。その形状は、円筒形や直方体だ。

写真●地中を掘り進めるシールド機の外観
(出所:清水建設)
[画像のクリックで拡大表示]

 シールド機の運転操作には、熟練の運転者の技が必要となる。清水建設の中谷武彦土木技術シールド本部統括部課長は、「熟練のオペレーターが個人の経験や技量に基づいて運転操作する。こうしたノウハウは簡単に身に付くものではない」と説明する。

写真●シールド機の運転操作の様子。シールド機内部ではなく後方に設置した運転室から運転操作する
(出所:清水建設)

 シールド機の運転操作を間違えると、当然のことながら事故につながる可能性が高まる。例えば、シールド機の進むスピードと土砂の排出速度のバランスを考慮しないと、土砂が崩れてしまうことがある。シールド機の運転操作は自動制御されているわけではない。ベテランのオペレーターが、シールド機の速度や土砂の圧力、地質のやわらかさなどの条件を総合的に判断し、運転しているのだ。

 ところが昨今、シールド機の運転技術を備えた熟練オペレーターが、高齢化などに伴って減少し始めている。

 清水建設は、この課題をAI(人工知能)で解決しようとしている。シールド機の操作を、AIを搭載したソフトウエアに任せようという試みだ。「熟練の技をAIで再現できるように開発を進めている」(清水建設の中谷課長)。将来的には、AIがシールド機を運転するようになるかもしれない。

この先は有料会員の登録が必要です。有料会員(月額プラン)は申し込み初月無料!

日経 xTECHには有料記事(有料会員向けまたは定期購読者向け)、無料記事(登録会員向け)、フリー記事(誰でも閲覧可能)があります。有料記事でも、登録会員向け配信期間は登録会員への登録が必要な場合があります。有料会員と登録会員に関するFAQはこちら