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人とICTのベストミックスで働き方改革を

武藤 真祐氏 医療法人社団鉄祐会 理事長

2018/05/22 17:00
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 医療者にとって、どのような働き方が望ましいのか。我々の組織で大切にしている3つのコアコンセプト、そしてそれを補完する3つの仕組みについてお話しします。

医療法人社団鉄祐会 理事長の武藤真祐氏(写真:加藤 康、以下同) 
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 第1のコアコンセプトは、ジョブディスクリプション(職務記述書)です。在宅医療は、医師や看護師など多職種のチームで行いますが、あらかじめ誰が何の仕事をするかをおおよそ決めておく。これにより、業務にもれやダブりがないかがはっきりしてきます。

 第2は、アカウンタビリティー(説明責任)です。それぞれの仕事がきちんと果たされていなかった場合の責任の所在を明確にしておく。そして第3に、きちんとした組織をつくり、ガバナンスを効かせることです。

 こうしたコンセプトを明確にしておかないと、ともすると“この先生が言っているから、従っておこう”という主体性のないやり方になりがちです。これでは他に展開可能なモデルとは言えません。そして私達は、これらのコンセプトを補完する3つの仕組みを取り入れています。

医師に書類作業をさせない

 第1は、仕事の意味づけを明確にし、それを組織に定着させるための仕組みです。例えば、我々はクレド(組織の信条を示すもの)をつくって、全職員で毎朝読み上げています。何のために自分が仕事をしているのかを、意識づけるためです。

 仕事の評価についても、360度評価を取り入れ、職員が周囲からの評価を受けるようにしています。その結果を偏差値にして、ここは直した方がいいと本人に伝えるのです。

 第2は、業務の負荷をなるべく削減するための工夫です。ICTを活用しながら、楽にできる部分はなるべく楽にしていく。

 例えば、在宅医療では多くの書類を書きますが、我々の組織ではその大半を看護師や事務職員が作成するようにしています。医師は最後に目を通し、必要な修正をするだけです。

 医師が移動中に電話をかけてカルテに記載すべき内容を伝えると、戻ってくるころにはカルテができあがっている。そんな仕組みも取り入れています。医師ができるだけ、診療とそれに付随する仕事に集中できるようにしているのです。

 第3は、働き方の実態を見える化し、フィードバックする仕組みです。

 例えば、各職員が月ごとに実施した訪問診療の件数や残業時間を集計する。そして、全職員の1日当たりの平均残業時間や3カ月ごとの残業時間の推移などを見ていきます。残業時間が急に増えたりした場合は、その原因を突き止めます。

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