お薦めトピック

医師の働き方を変えれば、病院全体が効率化する

山内 英子氏 聖路加国際病院 副院長 ブレストセンター長・乳腺外科部長

2018/05/16 18:30
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

 聖路加国際病院では、(2016年に)労働基準監督署の調査を受けて以来、医療現場の働き方改革を行っています。まずは医師にフォーカスした改革を実施しました。医師の働き方改革を優先させたことで、他の職種に負担がかかっていないか心配になり、他職種に意見を求めたところ、「医師が早く帰ることで、看護師も助かっている」という声が聞こえたのです。

聖路加国際病院 副院長 ブレストセンター長・乳腺外科部長の山内英子氏(写真:加藤 康、以下同) 
クリックすると拡大した画像が開きます

 以前は、真夜中に検査や処方に関するオーダーを出されることも少なくなかったけれども、医師が早く帰ることが推奨される状況になったことで日勤帯にオーダーが出るようになったというのです。この意見を聞いて、医師の働き方改革をうまく実践すれば、病院全体で効率的な働き方を実現することもできるのではないかと希望を持てました。

 ICTの活用による効率化に関しては、さまざまな見方が必要です。例えば、電子カルテが広く使われ始めたことで見直すべきことも出てきました。電子カルテが導入される前は、医師が患者の顔を見ながらカルテを書いて、「CT検査の予約をとって帰ってね」と伝えれば良かった。しかし、電子カルテの導入によって、診察時に医師が患者の予定を聞いて検査日を調整するようになったのです。

 患者が予定を確認している間、医師は待っている必要があります。その時間があれば一人の患者を診察できるのに、と思えてなりません。

 それならば、次の一手として、医師の業務を助けてくれる補助員の導入などを検討すべきだと思っています。AIなどを活用すれば、補助員に一部の仕事を担当してもらうことでどれだけの費用対効果が見込めるか簡単に調査できるのではないでしょうか。

 文化を変えるためには、そうしたデータを見える化して病院の経営者に見せる必要があるでしょう。補助員を付けることで「医師が今の2倍働ける」というデータがあれば、現場は確実に変わると思います。

ピックアップPR

もっと見る

記事ランキング