倉敷中央病院が目指すブリリアントホスピタルとは?(page 3)

AIやIoTを駆使し医療の質や患者満足度を上げる

2018/11/21 11:00
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス
出典: 日経メディカルOnline,2018年11月20日 , (記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)

4年間で2億円のコスト削減を目指す

 廃棄しなくても、稼働状況を可視化するだけで資産を有効活用できる可能性がある。例えば、同病院では心臓血管外科が購入を希望していた超音波診断装置と同等のスペックの機器が小児科でほとんど使われていなかったことを把握。結果として装置を移動するだけで済んだ。「何もなしに『この装置を使っていないようだから他科に譲渡してよいか』という提案はしにくいが、ほとんど使っていないことがデータで明らかになれば納得してもらえる」と医療技術部門医療技術本部長の田渕隆氏は語る。

「稼働状況の可視化によってほとんど使われていない超音波診断装置があることが分かり、非常に驚いた」と話す倉敷中央病院院長の山形専氏
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 もちろん、新規購入申請を承認する際の判断にも稼働状況の可視化は役に立つ。申請を受けられない場合に、頭ごなしに「できるだけ安価な機器を選んでほしい」「台数を減らしてほしい」と言ってしまえば、医師など現場の医療スタッフのモチベーション低下につながりかねない。だが稼働状況のデータを基にした判断を示せば、スタッフの納得を得やすいと期待される。データからスペックの高い特定の機器ばかり使われていることが分かれば、「台数を減らしてスペックが高い機器に買い替える」といった具体的な提案もしやすい。

 パイロットスタディーで有効性を示したことを受けて締結した倉敷中央病院とGEヘルスケア・ジャパンとの包括契約では、まずは可視化による医療機器の保守費用と保有機器の買い替え費用を見直すことから始め、4年間で2億円のコスト削減を目指す。契約額は非公表だが、「コスト削減分で契約の元は取れるような金額を設定した」とGEヘルスケア・ジャパン サービス本部 成長戦略部の松石岳氏はそろばんをはじく。

 コスト削減だけでなく、増収効果も期待できる。超音波診断装置は、電源を入れればすぐに使える。そのため超音波検査について、「医師が患者に〇〇の検査を実施した」という記録がカルテに残されないことが多く、「診療報酬を請求できないことも少なくなかった」と院長の山形専氏は説明する。そこで倉敷中央病院とGEヘルスケア・ジャパンでは、医師や患者、検査名にバーコードを割り振り、バーコードを読み取るだけで検査記録が残せるような仕組みを作ることで、請求漏れをなくすことを目指す。

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