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「AIで入院患者の不穏予知」、北原国際病院の挑戦

NECと共同開発、看護師の負荷はどれだけ減るのか?

2018/08/22 10:00
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス
出典: 日経メディカルOnline,2018年8月21日 , (記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)

点滴やドレーンを抜去したり、暴言を吐いて暴れたりする――。こうした入院患者の不穏行動は医療者側の大きな負担となっている。予兆を検知し、不穏が生じる前に介入することで医療者側の負担を軽減するため、患者のバイタルデータを使って不穏行動の予兆を検知するシステムの開発が進められている。事前介入によって不穏行動を防ぐことはできるのか、現状を探った。

 医療現場の悩みの種の1つが、患者の不穏行動だ。東京都八王子市で北原国際病院などを経営する医療法人社団KNI(理事長:北原茂実氏)が、医療スタッフの業務時間配分を調査したところ、全体の26%を不穏などの患者の問題行動への対応に費やしていることが分かった。

 さらに同調査では、入院患者のうち34%が不穏行動を起こしており、不穏行動を起こした患者はそうでない患者に比べて約19日間入院期間が長くなることが明らかになった。これは、不穏行動を起こした患者の受け入れが難しい医療機関があるため、転院先の選択肢が少なくなってしまうからだ。病院経営の観点からも、病床回転率が下がることが懸念される。

「不穏行動を防ぐために看護力を発揮したいと思っている看護師は多い」と話す北原国際病院の森口真由美氏。

 こうした不穏行動は、「予兆を検知して適切な看護ケアをすることで防ぐことができる」と北原国際病院看護科統括の森口真由美氏は話す。

 実際、北原国際病院では、看護師が患者の様子を見て不穏行動の予兆を察知している。表情が硬くなったり感情表現が乏しくなったり、どこか一点を見つめていたりと「顔の印象が変わることが多い」と森口氏は話す。口数が減ったり、「ダメ」や「嫌だ」などと断定的な言葉遣いが増えたりすることも不穏行動の予兆であるという。

 ただし、経験が少ない新人看護師では患者の表情や口調から予兆を捉えることが難しく、24時間同じ患者を見ているわけではないことから、予兆を見落とす可能性もある。

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