リクルートが「精子」に着目したワケ

男性向け妊活支援ツール「Seem」の狙いを追う

2017/05/31 05:00
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス
 子宝を授かるための妊娠活動、いわゆる「妊活」。晩婚化などを背景に、不妊検査や不妊治療への関心は近年増加傾向にある。国立社会保障・人口問題研究所の2015年の調査では、35%の夫婦が不妊を心配したことがあると答えたほか、子どものいない夫婦では4組に1組以上の割合で不妊の検査や治療を受けたことがあるという。

 こうした中、妊活を支援するデジタルヘルス・ソリューションがじわじわと存在感を高め始めている。良く知られているのは、かねてエムティーアイが提供してきた「ルナルナ」。生理サイクルを記録することで、妊娠しやすい時期を予測するスマートフォンアプリだ。このほかにも、エイチームの「ラルーン」や日本エンタープライズの「女性のリズム手帳」など、同様のコンセプトを持つサービスは幾つか存在する。

 さらに、ファミワンが2016年7月に提供開始した「FLIPP(フリップ)妊娠力判断」は、女性向けの妊娠力チェックサービス。サイト上の質問に答えると妊娠力が判断され、アドバイスが受けられる。

 このように、さまざまな妊活ソリューションがしのぎを削っているものの、実はそのほとんどが女性に向けたもの。そんな中、異彩を放つサービスがここに来て登場した。リクルートライフスタイルが2016年11月に一般販売を開始した「Seem(シーム)」である(関連記事1)。「精子」の濃度と運動率を簡易に数値化するツール、つまり男性側から妊活を支援するソリューションなのだ。

Seem専用プレパラート作成キット(左)とSeemキット外観イメージ(中央)、Seemアプリ画面イメージ(右)(画像提供:リクルートライフスタイル)
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 Seemは、専用キットとiPhoneアプリから成る。まず、専用キットを使って精液のプレパラートを作成し、iPhoneのフロントカメラで精子の動画を撮影する。すると、アプリで撮影した動画から精子の濃度と運動率を自動で測定。アプリ画面上ではWHO(世界保健機関)が定めた基準値を確認することができるため、利用者が自身の記録と見比べることができる。

測定イメージ。作成したプレパラートをiPhoneのフロントカメラに置くと動画が撮影される
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測定結果のアプリ画面イメージ(画像提供:リクルートライフスタイル)
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 このサービスは、2017年3月に経済産業省が開催した「ジャパン・ヘルスケアビジネスコンテスト2017」のファイナリストの一つにも選ばれるなど、業界からの注目を集めている(関連記事2)。リクルートライフスタイルは今回、なぜ男性側の妊活支援に着目したのか――。その理由を追った。

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