術中に肉眼では分からない癌やリンパ節が光る!(page 4)

広がる蛍光ガイド手術

2018/05/23 08:30
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス
出典: 日経メディカルOnline,2018年5月22日 , (記事は執筆時の情報に基づいており,現在では異なる場合があります)

肝臓癌を光らせ、必要十分な切除を

 ICGは、肝臓癌を光らせることもできる。この用途は保険収載されていないが、臨床研究で用いられている。実際に肝臓癌の蛍光ガイド手術を行っている石沢氏は、「癌自体が光ることは非常に有用だ」と話す。肝臓表面のすぐ下にある癌でも一目見ただけでは見つけられない場合があるからだ(写真2)。

 開腹手術であれば触れたときの硬さから癌の位置を特定することができるが、腹腔鏡手術ではそれができない。超音波を使ってエコー画像から判断する方法もあるが、プローブを当てる場所や角度が変わりやすいという課題があった。ICGを使うと、表面から8mmまでの深さであれば癌が光っている様子を検知できるという。

 肝臓癌が光ることは、必要十分な範囲を切除することにも寄与する。肝臓は8つの肝区域からなり、肝臓癌の手術では癌がある区域を切除する。区域に沿って切除できれば、肝臓の機能を温存することができるからだ。ただし、この区域の境目を肉眼で見極めることは難しい。

 従来は色素法を使って染色していたが、2~3分で消えてしまうことが問題だった。そこで、肝臓の血管にICGを投与して血管を光らせ、区域の境目を同定するという使い方が検討されている。

 今後は、膀胱癌や肝臓癌だけでなく、「様々な癌を光らせることができるようになる」と戸井氏はみる。癌を直接光らせることで、取り残しや過度な切除を防ぐことが期待されている。

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