「あらゆる外科領域で応用」

日本蛍光ガイド手術研究会副代表世話人を務める東京大の石沢武彰氏は「蛍光ガイド技術は超音波エコー検査のように広く使われるようになるだろう」と話す。

 蛍光物質ICGとは、もともと50年以上前から肝機能検査や循環機能検査のための検査薬として臨床現場で使用されている試薬である。生体内で血漿蛋白と結合して高分子化すると発光するという特徴を持つため、古くから蛍光イメージングに使われてきた。

 現在は、肝機能検査と循環機能検査に加えて、センチネルリンパ節の同定や血管および組織の血流評価に関する用途で保険収載されている。肝機能や循環機能の検査、血流評価の用途で使用する場合は、血管をイメージングするため静脈からICGを投与し、リンパ管やリンパ節をイメージングする場合は皮下にICGを投与する。

 血管および組織の血流評価に関しては、2018年1月26日から保険適用になったばかり。これまでICGによる血管造影に関しては、脳神経外科手術時における脳血管の造影に限って保険適用されていた。今回適用範囲が広がったことで、「ありとあらゆる外科的な領域に応用されるだろう」と戸井氏はみる。

 ICGに加えて、蛍光物質5-ALA(5-アミノリブリン酸)も保険収載されている。経口投与して、膀胱癌や脳腫瘍(悪性神経膠腫)を検出することができる。このほか、「胃癌の播種を検出する用途で臨床試験が行われている」と石沢氏は話す。