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 本連載が目標とする汎用人工知能(Artificial General Intelligence、AGI)を作るためには、今まで解説してきた脳の仕組みや機械学習アルゴリズムを適切に統合していく必要があります。今回はその前提として、今までの情報を振り返り、脳のモデルとして使える手法をおさらいしてみます。特に、議論が分かれる大脳皮質の学習方法については、最近の研究例から生理学的に妥当性のあるアルゴリズムを紹介します。

 脳はおおまかに大脳新皮質(第4回)、小脳(第6回)、大脳基底核(第5回)などに分かれています。機械学習の視点からは、この3つはそれぞれ、教師なし学習(第12回)、教師あり学習(第13回)、強化学習(第14回)をしていると考えられています。細かい点で幅広い合意がとれているわけではありませんが、3つの部位は概ね次のような役割をしていると見られています。

  • 大脳は、外界から得られる情報(五感からの入力)をうまく整理整頓して、より抽象的な情報を抽出します。
  • 小脳は、教師あり学習によって「内部モデル」の学習をします。これによって、例えば大脳新皮質で行っている複雑な処理を肩代わりすることができます。
  • 大脳基底核は自分の快不快を判断して、自分にとっても最も利益があるような行動をしようとします。

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