【質問2】「FIT権利」とは何ですか。法律上の規定がないというのは、どういうことなのでしょうか。取引に不安を感じます。

【回答2】FIT権利が何かと問われると、「FIT認定を受けた地位および接続契約上の地位の総称」という答えになります。もう少し説明しましょう。

 発電事業者は、再生可能エネルギーによる発電事業の計画を立案します。この計画が所定の要件を満たしていれば、経済産業省による「FIT認定」を受けることができます。そして、発電事業者が、政府の定める期間(買取期間)および価格(買取価格)で電気を売却する契約(特定契約)を電気事業者に申し込んだ場合、電気事業者は原則としてこれを承諾しなければなりません。これがFITの仕組みです。

 これまでFIT認定は「設備認定」と言われてきました。2017年4月に改正FIT法が施行されたことで、設備認定から「事業計画認定」へと内容に多少の変更が生じていますので、注意が必要です。

 発電事業者は、電力会社という信用力の高い企業から売電収入を得ることができます。長期間に渡り安定した収入を確保することができるのです。もしFITがなければ、発電した電気の売却価格の変動のリスクと、売却できる電力量にかかわるリスクを発電事業者が負うことになります。FITの下では、売却の単価が長期間固定され、かつ発電した電気の全量の買い取りが保証されるため、発電事業者はリスクを負わずに済むのです。

太陽光発電所はFITによって確実に売電収入を得られる
固定価格買取制度(FIT)の仕組み

 しかしながら、前述のとおり、FIT法には、FIT認定を受けた者(認定事業者)の権利を直接定めた規定はありません。「電気事業者は認定事業者からの特定契約の申し込みを拒むことができない」という形で、再エネによる電気の買取拒否を禁止しているのみです。

 電気の買取拒否を禁止することによって、発電事業者は売電価格の変動リスクや売電量のリスクを負わずに済みます。このような発電事業者の利益は、結果的に発生した事実上の利益、すなわち法律学でいうところの「反射的利益」であって、FIT法によって直接保障される権利ではありません。

 法律上は、FIT認定そのものが権利として保護されているわけではありません。ですが、FIT認定を受けた発電事業者としては、売却する電気の価格変動リスクや需要量のリスクを負わないという経済的な利益を得ます。FIT認定そのものに経済的な価値があることは明らかです。