1月は48年ぶりの寒波に見舞われ、1月25日には東京でマイナス4℃を記録した。

 気象庁の発表ではラニーニャ現象が発生していたという。その影響で偏西風の蛇行が大きくなると、寒気の南下がより大きくなる。そのため、高度5000m付近では東進すべき気圧の流れが停滞し、日本の北方上空に最強寒波が居座ることになった。

 気温の低下とともに、1月の電力需要は近年の冬需要の水準を中旬あたりから超え始めた。

 特に、最大の需要地である東京エリアで、1月中旬からの需要の伸びが顕著だ(グラフ1)。電力需要の伸びは、卸電力市場の価格や取引量に直に影響する。

大きく伸びた1月の電力需要
グラフ1●東京エリアの需要実績推移(出所:日経エネルギーNext電力研究会)
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新ルールは正しいが・・・

 1月30日の有識者会議(電力・ガス取引監視等委員会制度設計専門会合)の資料には、「総電力需要に占める取引所取引割合は約8.0%であり、グロス・ビディング(*1)などの影響もあり、取引所取引割合は着実に増加」とある。このこと自体は、電力自由化や市場の活性化で期待される現象だが、問題はその中身だ。

*1:旧一般電気事業者がグループ内取引(発電部門と小売部門間の取引)の一部を売買両建てで卸電力取引所を通して行う取り組み。限界費用ベースの価格で投入されることが期待されている。

 日経エネルギーNext電力研究会では、昨年10月下旬に大手電力を対象に予備力(予備的な電源)の市場投入を強化した「玉出し(売り入札)新ルール」の効果についてフォローアップを続けている(12月の状況は「『電力の番人』の登場を望む」参照)。今回は最強寒波の到来が卸電力市場や大手電力の玉出しに、どう影響したのかを見てみたい。

 なお、新ルールは電力・ガス取引監視等委員会、資源エネルギー庁、電力広域的運営推進機関の3機関連名で、大手電力の「予備力」に関する全量玉出しを指導したものだ(「市場投入される電力は最大4割増」参照)。ある意味で、旧一般電気事業者が唱えていた「自主的取組」の限界を是正するものと言える。

 1月に入って前日スポット市場の約定量は着実に増えていった(グラフ2)。市場活性化の観点から大手電力が売買を両建てするグロス・ビディングの効果もあったと思われる。約定量が減少した12月とは真逆の展開となった。

2018年1月の約定量は前年同期の2倍を超える
グラフ2●スポット市場での約定量の推移(出所:日経エネルギーNext電力研究会)
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