新電力ベンチャーのLooop(東京都台東区)が8月1日、東電エリアの高圧部門において、新電力として自社で電力を供給するのをやめ、中部電力の取次になることが本誌の取材で明らかになった。

 Looopは既に関電エリアの高圧を関西電力の取次に切り替えている(「Looopが関電の取次に、大手が新電力を飲み込み始めた」)。東電エリアは関電に次ぐ2エリア目だ。

 全面自由化を機に新電力事業に参入し、順調に契約数を伸ばしきたLooop。新電力の販売電力量ランキングは2018年3月で15位と、新電力ベンチャーの中でも目立つ存在だ。そのLooopが、次々と自社での小売りをやめているのはなぜなのか。電気事業を統括する小嶋祐輔・戦略本部本部長兼電力事業本部本部長に聞いた。(聞き手は山根小雪=日経エネルギーNext)

Looopが東電エリアと関電エリアで大手電力の取次となったのはなぜか
小島祐輔・電力事業本部本部長

――関電エリアに続き、東電エリアでも新電力の旗を下ろし、取次になりました。理由を率直に聞かせて下さい。

小嶋本部長 まず、お伝えしたいのは、取次になるのは高圧部門だけだということ。当社のメインである個人向けは、今後も変わらず新電力として自社で供給します。

 関電エリア、そして今回、東電エリアの高圧部門で大手電力の取次になったのは、価格競争があまりに厳しく、契約がどんどん減っているためです。

 2017年の夏は解約が契約電力で1カ月に3000kWほどでした。それが冬になると8000kWに増えました。さらに、今は1万5000kWにまで増えています。

 契約の減少は販売を委託している代理店の方々の収入減に直結します。代理店からも「なんとかしてほしい」という声が日増しに大きくなっていきました。新たな受注もあるものの、解約があまりに多くて、「このままでは高圧の契約はなくなってしまうのでないか」と思えるほどでした。

――大手電力の値引き攻勢は凄まじかった?

小嶋氏 それはもうすごいものです。特に、関電と東電エナジーパートナー子会社のテプコカスタマーサービス(東京都江東区)が需要家に提案する価格はものすごい安さでした。大規模な電源を持たない当社には、到底太刀打ちできるレベルではなかった。

 「そんなに安く売れるなら、その値段で卸してもらう方が、まだ競争力がある」という発想が出てきたのは自然の流れだと思います。

 当社の高圧の売り上げは、約40%が東電力エリア、約25%が関電エリア、残りがその他のエリアです。ですので、この2つのエリアの対策が喫緊の課題でした。

 関電は7月にも大飯原子力発電所の再稼働による値下げをすることが分かっていました。ただでさえ、関電の価格に勝てないのに、この値下げには対抗のしようがない。冬のJEPX(日本卸電力取引所)の価格高騰のダメージも大きかったですね。

 なので、まずは関電エリアから着手しました。取次の件は、当社から関電に持ちかけました。トントン拍子に話は進みました。

 この7月、西日本のJEPX価格が高騰していますが、取次への切り替えによって経営への影響は軽微です。

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