日本卸電力取引所(JEPX)でスポット市場価格の史上最高値が大きく塗り変わった。

 7月23日、全国的に50円/kWhを超える時間帯が発生し、24日は九州を除く西日本エリアで16~18時の2時間(30分時間帯で4コマ)にわたって99円/kWh以上という超高値に張り付いた。この日、16時30分~17時で99.99円/kWhの最高値をつけた。

 さらに翌25日も西日本は15時30分~18時30分の3時間にわたって99.99円/kWh以上に張り付き、17時~17時30分に100.02円/kWhを記録した。これまでの最高価格は全面自由化以前の2007年の60円/kWhとされる。「100円」はまさに前代未聞の高値である。

西日本で100円、東日本も60円
7月24日のスポット市場価格(出所:JEPXのデータを基に日経エネルギーNextが作成)

出血避けられない新電力

 この市場価格の高騰は販売電力を市場から調達する小売電気事業者、とりわけ新電力には大きなダメージとなりそうだ。

 「100円のような高値の買い札を入れられる新電力はほとんどいないだろう」(新電力幹部)。仮に市場調達できなかった場合、自社の需要を満たせなかった不足分は、一般送配電事業者から「補給」を受け、対価としてインバランス料金を支払う。

 では、インバランス料金はいくらにになるのか。29日に公表された24日分のインバランス料金(エリア調整前)の速報値は、西日本エリアで市場価格99.99円をつけた時間帯(16時30分~17時)で100.37円/kWhと、エリア価格を上回った。

 前後の西日本で99円/kWhをつけた時間帯のインバランス料金は60.02~76.65円/kWhと西日本のエリア価格を下回ったものの、同じ時間帯で60円/kWhをつけていた東日本エリア(北海道を除く)の価格は上回った。

 つまり、東日本エリアで市場調達ができなかった小売電気事業者は、市場価格より高いインバランス料金を支払わなければならない。

 いずれにせよこの水準の市場価格やインバランス料金は、小売料金から託送料金を差し引いた“実入り”を大幅に上回っており、大きな出血は避けられそうにない。

 24日の全時間帯を見渡せば、インバランス料金が市場価格を下回る時間帯も散見されるが(当日の需給が全国的に余剰)、昨夏のように高値がついた時間帯でインバランス料金が市場価格を大きく下回る現象は減っている。昨夏に比べれば市場価格は当日の需給実態を映すようになっていると言えそうだ。

 問題は需要が1年のピークを迎える8月だ。西日本エリアでの「100円」や東日本エリアで「60円」をつけたような超高値が再び出現することになるのだろうか。

 卸電力市場における個別事業者の入札行為を監視している電力・ガス取引監視等委員会幹部は「現時点で、適切な需給(価格)でないという証拠はない。(意図的に価格をつり上げる)売り惜しみなどはつかんでいない」と話す。

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