「国内のメガソーラーはさすがに厳しい。自家消費モデルに舵を切る」と語るのは、ソーラーフロンティアの平野敦彦社長だ。

 2012年の固定価格買取制度(FIT)のスタートによって、国内の太陽光発電市場は一気に急拡大を遂げた。太陽光発電協会(JPEA)によると、FIT開始から3年で国内出荷量は6倍に急増。だが、2014年をピークに減少に転じ、2017年度には2014年度の6割にまで落ち込んだ。

 平野社長は、「2016年頃からメガソーラー建設による成長は厳しくなってきたと強く認識するようになった」と明かす。

「自家消費モデルは必ず市民権を得る」と語るソーラーフロンティア平野社長

 FITの買取条件は切り下げが続き、2016年5月には「九電ショック」もあった。系統連系は難しさを増すばかりだ。好条件の土地も見つかりにくくなっている。中国を中心とした海外パネルメーカーとの価格競争も厳しさを増している。ソーラーフロンティアはかねて自社でメガソーラーを建設、所有してきたが、そのやり方にも限界が見えてきた。

 「メガソーラーが難しくなったうえ、低圧での太陽光設置はたいして増えていない。我々が住宅向けを開拓できていないから、FITの買取価格の低下とともに国内市場が沈んでいる」と平野社長は言う。

 だからこそ、ソーラーフロンティアは主戦場をメガソーラーから自家消費モデルへと移行する。ここでいう自家消費モデルとは、住宅などに設置した太陽光発電による電気をFITを使わず、自家消費することを指す。

 太陽光バブルとも言える市場の急拡大によって、太陽光発電設備の価格は低下。グリッドパリティとなる領域が増加している。「太陽光発電設備を導入して20年で償却する場合、家庭向けは3年前にグリッドパリティに達した。高圧は電気料金が12~13円/kWhなら2017年半ばにグリッドパリティに達している」(平野社長)。経済性だけでも自家消費をユーザーに勧められる時代になったわけだ。

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 ただ、自家消費モデルは営業が難しく、販売量を増やすには相当のリソースが必要だという課題がある。

 FITを利用する場合の営業は、実に簡単だ。屋根の大きさを聞けば載せられる太陽光の出力規模(kW)が分かる。設置地点の日照量データを調べれば、発電量(kWh)が算出できる。FITの買取価格が決まっているので、初期投資額をkWhで割り戻せば、投資回収期間もすぐに分かる。

 自家消費モデルでは、そうはいかない。ユーザーの使用電力量を聞き、電気料金の単価を聞いて、計算しなければ経済性を確認できない。営業担当者にも、分かりやすく説明するためのノウハウが必要だ。

 ソーラーフロンティアの営業担当者は約20人。住宅向けの提案営業を展開するには、リソース不足は否めない。パートナーが必要だ。

 そこで同社は7月9日、TEPCOホームテック(東京都墨田区)が展開するサービス「ソーラーエネカリ」に太陽光パネルを供給すると発表した。TEPCOホームテックは、東京電力エナジーパートナー(EP)が51%、省エネサービスなどを手がけるエプコが49%出資する住宅向け省エネサービス会社だ。

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