自治体向けコンサルティング大手のパシフィックコンサルタンツが、子会社の新電力を通じて自治体新電力の支援を強化している。経営に参画する自治体新電力9社と協議会を設立した。同社の狙いはどこにあるのか。

 「自治体が疲弊したら困るんです。自治体新電力で得た収益を地域活性化に使ってもらいたい」。新電力パシフィックパワー(東京都千代田区)の合津美智子副社長は言う。

 自治体向けコンサルティング大手・パシフィックコンサルタンツは2015年4月、新電力子会社としてパシフィックパワーを設立。自治体新電力の設立を支援し、設立後は経営や需給管理を受託している。ここでいう自治体新電力とは、自治体が自ら出資する地域新電力のことだ。

 地方自治体は少子高齢化と人口減少で疲弊が進む。それでも、地域住民は大手電力や新電力と契約して電気を使い、電気料金として域外にお金が出ていく。

 自治体と地場企業で自治体新電力を設立し、地域住民に電気を供給すれば、電気料金は域内で環流するようになる。そして、電気事業によって得られた収益が、地域活性化の取り組みの原資になる。自治体新電力は地方創生の手段としても注目を浴びている。

 自治体を相手にビジネスをしてきたパシフィックコンサルタンツにとって、自治体の疲弊は死活問題。「新電力事業単体で利益を出すことが目的ではなく、自治体に元気なってもらうことが狙い」(合津副社長)だという。

出資・参画する自治体PPSを協議会で束ねる

 そのパシフィックパワーが5月29日、「エネルギー☓地方創生地域ネットワーク協議会」を設立した。参加メンバーは、パシフィックパワーが出資・参画する自治体新電力9社と、株主である24の自治体や企業、団体だ。

パシフィックパワーが事務局を務める自治体新電力の新協議会は5月29日に初回会合を開催した

 9社とは、滋賀県湖南市のこなんウルトラパワー、鳥取県南部町の南部だんだんエナジー、島根県奥出雲町の奥出雲電力、千葉県睦沢町のCHIBAむつざわエナジー、熊本県小国町のネイチャーエナジー小国、福島県相馬市のそうまIグリッド、福岡県田川市のCocoテラスたがわ、京都府亀岡市の亀岡ふるさとエナジー、宮城県加美町のかみでん里山公社の自治体新電力である。

 初回会合では、参画する自治体新電力4社が取り組みを披露した。そして、パシフィックパワーは自治体新電力におすすめの地域振興事業を提案した。

 パシフィックパワーの合津副社長は、「電力小売りだけでは自治体新電力の経営は、なかなか安定化しない。電力以外の事業の立ち上げをサポートするのが協議会の役割」と説明する。

 この協議会に参加する自治体はいずれも規模が小さい。人口は最大の亀岡市で9万人。最も小規模な睦沢町や小国町だと7000人にとどまる。単独での事業展開には限界がある。

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