2019年度の幕が開いた4月、卸電力市場はいきなり異様な高値で始まった。

 今冬は3月まで荒れることがほとんどなかった東京および東北エリアで、4月1日月曜日、夕刻から深夜にかけて高値が続いた。18時~18時30分に突然30円/kWhに跳ね上がった後、20円/kWh以上の高値が続き、普段なら10円/kWh以下に落ち着く23時~23時30分においても15円/kWhと水準を大きく上回った。

 翌2日は最高39.99円/kWh(18時~19時)、3日も40円/kWhまで跳ね、両日とも夕刻から夜中までおおむね20円/kWh以上の高値に張り付いた。

 北本連系線の増強で市場分断が減った北海道エリアも、東京・東北エリアに連動してほぼ同じような値動が見られた。

 4月初めが例年より気温が低かったのは事実だ。それでも、想定外の寒波が襲ったというほどではない。端境期と呼ばれ冷暖房需要が落ちる4月に40円/kWhの高値が続いたことはやはり異様というほかない。

深夜23時30分も60円の高値

 季節外れの3日連騰の背景としては、「4月に入って東京エリアで定期検査に入る電源が増えた」ことを挙げる市場関係者が多い。昨夏や一昨年冬の高騰を受けて、資源エネルギー庁から夏冬の需要期の定検をずらす要請があったことを受けたものだという。

 さらに、「連系線の運用」も要因に加わったとみる関係者もいる。電力広域的運営推進機関が公表する系統情報によると、東西を結ぶ周波数変換設備が通常は空き容量が60万kWのところ、4月2日8時から4月5日21時まで半分の30万kWに絞られた。

 「いくつかの要因が重なったのだろうが、真相はわからない。ただ、普段の日を含めて4月に入って相場の付き方が大きく変化した印象がある」(大手新電力幹部)。

 4月の異変は最初の3日で終わらなかった。2週目はさらに荒れた。

4月、東日本は異常な高値に見舞われた
4月10~13日の東京価格と関西価格
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 4月10日水曜日の朝7時、それまで10円/kWh台前半で推移していた東京、東北、北海道のエリアプライスが突然、60円/kWhに急騰した。とりわけ東京エリアはその後もほとんどの時間帯で50円台近辺に張り付き、普段なら需要が少ない23時30分~0時の最終コマ(時間帯)においても60円/kWhをつけた。

 翌11日、東京・東北・北海道は18~21時に39.99~30円/kWh、12日も17~21時に39.99~30円/kWhに張り付いた後、深夜最終コマが60円/kWh。翌13日は土曜日にもかかわらず、18~21時に42.6~39.99円/kWhに張り付いた。4月10日のように早朝から深夜までではなかったものの、夕刻から高値が付く状況が続いた。

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