日本卸電力取引所(JEPX)の前日スポット市場。2月9日に午前7~8時の2コマ(1コマ30分)で、東京エリアプライスは1kWh当たり57.98円に達した。JEPX関係者によると「2007年に60円をつけたことがあるが、それ以来の高値」だ。

 2017年11月半ばから電力市場は西日本エリアで高騰する時間帯が頻出していた(「電力価格高騰が2カ月、西日本は危機的状況だ」参照)。これが、今年1月後半からは東日本で西日本を上回る高値が目立つようになった。

 とりわけ、2月に入ってからは9日までに東京エリアは50円以上をつけた時間帯が11コマを数える。多くの新電力が、全面自由化以降、初めて目にする高値に悲鳴を上げている。「電力の調達原価が売り上げを上回る。資金繰りに苦しむ新電力が増えているのは間違いない」(新電力幹部)。

 猛烈な高騰の背景に何があるのか、これまで明かされてこなかった。

 1月30日、電力・ガス取引監視等委員会は有識者会議(制度設計専門会合)の場で、それまでの「西日本の高値」に関連して、大手電力を対象に実施した市場への玉出しに関するヒアリングの結果を報告した。

 西日本の複数の大手電力(社名非公表)からの回答で目立ったのは、「燃料制約を実施した」という文言だ。燃料制約とは、LNG(液化天然ガス)や石油といった燃料消費の抑制を目的に、発電所の稼働を抑えることを指す。

柔軟な燃料調達ができない

 寒波襲来で今冬の電力需要は大手電力各社の予測を上回った。

 「自社需要が増加したうえ、スポット市場において想定以上に売り約定が増え、燃料貯蔵量が減少した」「原子力再稼働を見込んで原油などの調達量を削減していたため、急激な需要増加に対応できなかった」などが、燃料制約を実施した理由として挙がっていた。

 今冬の顧客の電力需要が増えたのは新電力も事情は同じ。結果、1月に入って市場における買い入札量が激増したにも関わらず、売り入札量はむしろ減少し、多くの時間帯で未曾有の高値が出現した。

 はたして、電力需要の増加に合わせて大手電力は燃料調達を増やせなかったのか。

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