「遠隔診療」の誤解を解いた事務連絡の正しい読み方(page 4)

医師法20条に抵触する条件を明確化、診療報酬には無関係

2016/03/30 00:00
落合 孝文=渥美坂井法律事務所・外国法共同事業 弁護士

保険適用外でも通知の順守は不可欠

 事務連絡は遠隔診療通知の解釈と医師法20条に違反するかどうかだけを明確化にしたものであり、保険点数改定に影響を与えるものではない。実際、2016年度の診療報酬改定では、遠隔診療に対する保険点数は対象に含まれなかった。

 なお、よくある誤解として、保険適用外の自由診療であれば遠隔診療の要件が緩くなるという考え方がある。だが、医師法20条の「無診察診療の禁止」は保険診療でない場合にも適用される。実際の遠隔診療では通知を順守することが不可欠である。

 今後の診療報酬の改定基準については、2015年7月22日に中央社会保険医療協議会診療報酬基本問題小委員会に提出された「ICTを活用した医療情報の共有の評価について」に書かれている(同資料:PDF)。ここでは、「遠隔診療はあくまで補完的な役割であることから、診療報酬上の評価のためには、対面診療に比べて患者に対する医療サービスの質が上がるという科学的なデータが必要」という方針を踏まえ、有効性や安全性を個別に評価する必要があるのではないかとしている。

 遠隔診療が許される範囲の明確化・拡大、診療報酬の改定のいずれも、どのような場面で遠隔診療が活用できるかについて科学的データを蓄積することが課題になっている。

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