カウンセリングや結果伝達を対面で

 具体的には、次のような流れでサービスを提供する。まず、ゲノム解析の希望者に対して医師や遺伝カウンセラーによるカウンセリングを行う。そのうえで、カウンセリング内容に納得した希望者に対してゲノム解析を行う。その場で唾液を採取し、これを検体として疾患の原因遺伝子コード領域をエクソームシーケンスと呼ぶ方法で解析する形だ。一般向け遺伝子検査サービスと同様、唾液を使うのは「非侵襲で採取できることに加え、血液と同じようにDNAを豊富に含む」(曽根原氏)ためという。

 次に、ゲノム解析結果を基に、複数のデータベースやシミュレーションによる予測、サービス利用者の健康状態や家族歴なども参考にしながら、医師が罹患リスクを判定する。その結果を医師や遺伝カウンセラーから対面で伝え、推奨される検査や治療・予防法の選択肢などを提示する。その後のフォローとして、ゲノムと疾患の関係に関する新しいエビデンスなどが明らかにされた場合には、情報をアップデートして伝えるという。

次世代シーケンサーがゲノム解析の世界を変えた。写真は、国立がん研究センター中央病院が遺伝子検査室「SCI-Lab(Sysmex Cancer Innovation Laboratory)」に導入した米Illumina社の次世代シーケンサー「MiSeq」
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 サービスの利用価格は19万8000円で「ゆくゆくは10万円程度にまで下げたい」(曽根原氏)。ただし現在は「千葉大学ベンチャービジネスラボラトリー研究プロジェクト研究費」で解析を行っており、その後に19万8000円での提供を始めることを検討している。解析対象はいずれもまれな遺伝子変異だが、対象とする59遺伝子のうちに何らかの異常を持つ人は、国内に数十万人存在すると見ているという。

※)具体的なサービス提供形態については、大学病院の遺伝子診療部門とも共同で検討していく。

 これまでは、遺伝性疾患のリスクを知ろうと医療機関を受診しても「家族歴から遺伝子変異が強く疑われるケースなど、限られた場合にしか解析を受けられないことが多かった」と曽根原氏は話す。そうした解析サービスを医療機関外で提供することについては、複数分野の専門家から成る倫理審査委員会の厳格な審査を経て実施するなど、慎重な運用に留意しているという。