「So What?に応えていない」

 事業者と消費者の間に横たわるギャップに加えて、「So What(だから)?に対する答えが用意されておらず、検査の“後”につながらない」(ミレニアムパートナーズの秦氏)ことも大きいだろう。

 現在の遺伝子検査サービスは、生活改善アドバイスを添えたり、カウンセリングサービスの窓口を設けたりするなどの工夫をしてはいるものの、実質的には解析結果を示すところまでで終わっている。消費者にとって関心があるのは、遺伝子解析の結果そのものではなく、それをどう自分の生活や健康維持に生かせるか。その点からは、現状のサービスには大きな価値を見いだしにくい。

 サービスが高価であることも、消費者の関心をひきにくい一因だ。遺伝子検査サービスには多くのタイプがあるが、全般に1万~5万円ほどする。体質や疾患リスクを数百項目にわたって調べるタイプは、3万円を超えるものもある。「一般消費者にとっては手を出しにくい」(ヤフーの別所氏)と事業者自らも認める水準である。

「ルナルナ」のサービス画面(出所:エムティーアイ)
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 消費者は、スマートフォンなどで無料かそれに近い価格のサービスを享受することに慣れてしまっている。例えば、1000万人の女性ユーザーを獲得した生理日予測アプリ「ルナルナ」は、基本的な機能は無料で利用できる(関連記事4)。こうしたヘルスケアサービスとコストパフォーマンスを比べられてしまうと苦しい。