「興味はあるが受けない」理由とは…

 「DeNAやヤフーが参入したと聞いて興味は持ったけど、受けていない」「試してみてしばらくの間は結果を気にしたけど、それきりだ」「何となく怖いのでためらっている」…。遺伝子検査サービスに対して、読者は一消費者としてどのようなスタンスをとってきただろうか。

 遺伝子検査サービスがどのようなものか、まずは簡単に振り返っておこう。このサービスではインターネットで申し込みをすると、サービス事業者から自宅に検査キットが送られてくる。利用者はそれを使い、唾液などの検体を採取して事業者に送り返す。数週間後、自分の体質や疾患リスクを多項目にわたり分析した結果が、Webサイトで閲覧できるようになる。

 解析方法は、DNAの塩基配列に個人差が現れる一塩基多型(SNP:スニップ)を数十万カ所にわたって網羅的に調べ、体質や疾患リスクとの関係を統計的に導くというもの。ゲノムワイド関連解析(GWAS:ジーバス)と呼ばれる方法だ。体質や疾患リスクを評価する根拠として使うのが、あるSNPを持つ集団がそうでない集団に比べて特定の体質を持ったり病気に罹患したりする可能性が統計的にどれほど高いか(低いか)を、東アジア人などを対象に調べた学術論文である。

 この解析を基に、利用者に対して「糖尿病の罹患リスクは平均に比べて2.1倍、胃がんは0.9倍、心筋梗塞は…」といった形で結果を返す。どのSNPを調べたかなど、結果を導いた根拠も提示する。

図1●CPIGIによる消費者意識調査の結果(出所:CPIGI)
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 こうした形で提供されるサービスを、消費者はどのように受け止めているのだろうか。それを知る手がかりとなる調査結果を、CPIGI(個人遺伝情報取扱協議会)が2017年8月末に公表している。「DTC遺伝子検査に対する生活者の関心事と事業者調査から見えた今後の課題」と題する調査レポートだ(図1)。この調査では2017年3月、ヤフーの「Yahoo!クラウドソーシング」を利用して、消費者1072人を対象に遺伝子検査サービスへの関心や懸念点を聞いた。

 遺伝子検査サービスの利用経験について、最も多かった回答は「興味はあるが利用したことはない」で、全体の63%を占めた。利用経験のあった回答者は全体の4%。このほかは「存在は知っていたが興味がない」が24%、「存在を知らなかった」が10%である。

 「興味はあるが利用したことはない」と答えた672人に対しては、遺伝子検査を受けるに当たってどのような点(複数回答)を懸念するかも尋ねている。最も多かったのは「検査の内容をどこまで信じていいか判断できないこと」で全体の57%、続いて「知りたくないリスク(疾患リスクなど)を知ってしまうこと」の53%だった。これら2点を懸念する声が突出して多く、第3位は「万一、個人情報が流出した際に差別を受けるかもしれないこと」の31%である。