それぞれの社会保障制度、仕組みの連携を促進したい

佐々木健氏 厚生労働省 医政局 地域医療計画課課長

2017/02/10 12:00
小口 正貴=スプール

 私は団塊の世代が75歳以上に到達する2025年をめどに、医療体制をどのようにしていくかを含め、社会保険制度の見直しに取り組んでいます。今回のテーマである「2020年の医療・健康・介護のあるべき姿」とは、いわゆる2025年問題に向けてのビジョンと捉えています。つまり、地域包括ケアシステムが機能し、2020年の時点できちんとプロセスに沿っていることが重要になってきます。

厚生労働省 医政局 地域医療計画課課長の佐々木健氏
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 その意味でもさまざまなモデル事例が鍵を握りますが、必ずしも1つの成功事例が全てではありません。なぜなら地域によって差があるからです。各地域の成功事例から“使える部分”を抽出し、国として方向性を示していくべきでしょう。地域包括ケアシステムとは、地域の実情を踏まえたオーダーメードシステム。ある程度、バラエティーに富んだ内容になるのが必然です。

 一方、地域医療構想は県単位であったり、県をまたいだりといった大掛かりなもので、医療計画の策定段階から隣県と調整しながら計画していく必要があります。本質的に「誰が医療の責任を取るのか」といった部分にも関わってきますが、安全性や医療の質がしっかりと担保されていれば、多様な最終形があってもおかしくありません。そうしたゴールを見据えつつ、効果的に新しい技術を採り入れていくことが大事だと思っています。

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 厚生労働省としても、確実に国民にとって役立ち、かつ効率的になる仕組みについては、大胆に取り組んでいく必要があると考えます。例えば健康関連データの活用がそうです。現在、研究開発や自治体の分析用途などを目的として、特定健診と医療・介護の全データを突合できるような機関を整備できないかと計画しているところです。

 個々の社会保障制度は非常によくできています。一方、それぞれの仕組みの連携が十分でないと、非効率になる部分があるのも事実です。それを緩和するためにも地域に見合った取り組みや、ある程度の特性を踏まえた形で運用できるように支援していくことが、今の厚生労働省に求められているのではないでしょうか。

 いずれにしろ、今後どのようにして医療費、介護費用を捻出していくかは国民的な課題です。“待ったなしの状態”であることを広く国民の方々にわかっていただくためにも、こうした場を活用して危機意識を共有していきたいと考えています(談)。

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