総務省にとって医療分野は教育や行政と並び、ICT活用の大きな柱となっています。そうした中、地域包括ケアシステムのネットワーク化を進めていますが、システムにおいてどのようなデータを共有すべきか、そしてそのデータをどのように活用していくべきか――これらの基準は明確ではありません。

総務省 情報流通行政局 情報流通高度化推進室室長の吉田宏平氏(写真:加藤康、以下同)
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 地域包括ケアで前提となるのは、医療、介護、薬局といった関係者が双方向でつながる多職種連携です。医師に患者情報を集約するとしても、例えばその情報がただのテキストの羅列では、多忙な医師にとって大きな負担になってしまいます。ですから共有情報をいかに構造化・定型化し、最小限の労力で運用することがここから先のステージになります。

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 成功事例に関しても同じことが言えるでしょう。成功した結果だけが伝播してしまうことが多く、導入にあたって何が課題となり、誰がどのように協力してその課題を乗り越えたのかといったプロセスが共有されていません。肝心なことがきちんと伝わる仕組みを作ったり、全国レベルでの共通ニーズを吸い上げたりしながら、国としても整備を進めていきたいと思います。

 ただし、まさに今の現場で動いている制度を邪魔しないような形でICTを導入していくことが大切です。一方でデジタルヘルスは発展を続けており、今後の展開に大きな期待が持てます。これまでは何らかの制約の中でアイデアを工夫してきましたが、それらを乗り越える新たな動きがきっとこれから出てくるはずです。2回目の座談会以降、どのような議論が進むのか今からワクワクしているところです(談)。