すべてが「100点」を目指すな

岡本利久氏 内閣官房 健康・医療戦略室 参事官

2017/02/06 17:30
大下 淳一=日経デジタルヘルス

 省庁の縦割りを超え、医療・健康・介護の将来の全体像を描く――。そんな立場から、AMED(日本医療研究開発機構)のプロジェクトや医療・健康分野におけるICT活用、医療・介護の国際展開などに、各省庁と連携しながら取り組んでいます。

内閣官房 健康・医療戦略室 参事官の岡本利久氏(写真:加藤康、以下同)
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 これまで国や自治体、官庁がそれぞれにカッチリと作りこんできた仕組み。それを総合的にコーディネートするような仕事、そのための投資がこれからは大切になると思います。

 私が現在、力点を置いている仕事の1つが医療ビッグデータの活用基盤の整備。匿名化したデータを創薬や研究開発に活用できるようにするための仕組みづくりを進めています。

 医療ビッグデータの活用については、これまではインプット(入力)情報に関する取り組みが主体でした。今後は、データからのアウトカム(結果)をいかに活用できるかが問われる。そこで、アウトカムの活用につながる形でデータを扱える機関を整備したいと考えています。

 冒頭で縦割りを超えるということに触れましたが、何らかの仕組みをいったん制度化すると、その制度に縛られて縦割りの発想が生まれやすいというのも事実です。その結果、現場から見ると重要ではないことに力点を置いてしまったりする。これをどう克服するかが大切だと思います。

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 すべてが100点という仕組みは現実には実現できないわけで、さまざまな制約の中、利用可能なソリューションをいかに全体最適化のために使っていくかが問われます。こういう笑い話があるんです。昔は手書きだった仕事を今はワープロやパソコンでできるようになって、便利になった。でも上司から「この箇所は色をつけて」なんて言われたりして、かえって余分な手間が増えた、と。

 ツールを使って物事が便利になると、細部に気を取られがちになる。細かいことに一生懸命になりすぎて、そもそも何のためにやっているかが分からなくなるわけです。医療・健康・介護の領域でそんなことが起こらないように、行政は全体を俯瞰して将来ビジョンを示さなければならないと感じています(談)。

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