パナソニックが欧州メディア向けの記者会見で発表した有機ELテレビ「EZ1000」
記者会見はMGM Grand Las Vegas Hotel & Casinoの会議センターで開催された。
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 「CES 2017」(2017年1月5~8日、米国ラスベガス)の会場は、有機ELで大いに盛り上がった。その先駆けが、開幕前日の1月4日夕刻(現地時間)にパナソニックがMGM Grand Las Vegas Hotel & Casinoの会議センターで開催した欧州メディア向けの記者会見。欧州と日本市場で発売予定の65型有機ELテレビ「EZ1000」を発表した。

 2016年9月の展示会「IFA」で試作機を発表したのに続いて、今回のCESでその商用化が成った。パナソニックが初めて有機ELテレビに参入したのが2015年。これには理由があった。ブランドイメージ低下を食い止めるためだ。

 プラズマテレビから撤退してから、欧州でのパナソニックのテレビの評価はがた落ちになっていた。LEDバックライト液晶テレビの製品投入が遅れ、しかも正面コントラストの低いIPS液晶を主軸に置いていたため、オーディオビジュアル専門誌での評価が低かったのである。そこで、プラズマテレビの“後継”として、プラズマと同じ“自発光デバイス”を用いた有機ELテレビを推したのである。

階調再現にこだわったことを示す解説図
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 この時もそして、今回の新製品でも、画質設計でこだわったのが、暗部の階調再現だ。記者会見の場で、画質担当の技術者が筆者に言った。

 「ともかく黒の階調表現が一番の課題でした。有機ELは、黒は沈むのですが、黒側の階調再現、特に真っ黒な状態からわずかな光を出す状態にかけての非常に微細な階調の再現が難しいのです。APL(平均輝度)が極めて暗い場面で、1~2%という階調の違いを出すことに大変苦労しました。さらに暗部での色抜けをいかに追放するかにも、注意を払っています」。

 白側も、階調がきちんと整わないと、ノイズが出てしまう。記者会見で見せた比較対照用の有機ELディスプレーでは空の大面積部に細かなノイズが乗っていたが、パナソニックの新製品では同じ部分のノイズは非常に少なかった。

 「これは白側階調を徹底的に整えて再現させたからです。階調に段差があるとその部分がノイズになります。それをとことん追い詰めたのです」。

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