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改正個人情報保護法、医療の視点はなぜ抜け落ちたか

法律家・医師の米村滋人氏、改正のポイントと影響を解説

2016/11/24 12:05
大下 淳一=日経デジタルヘルス
登壇した米村氏
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 2015年9月に成立し、2017年の施行を控えた改正個人情報保護法。医療分野の個人情報保護やデータ利活用のあり方は、この法律改正によってどのような影響を受けるのか。

 第36回医療情報学連合大会(第17回日本医療情報学会学術大会)(2016年11月21~24日、パシフィコ横浜)の学会大会企画「医療を取り巻く個人情報保護の行方」では、法律家であり循環器領域の医師でもある米村滋人氏(東京大学 大学院法学政治学研究科 准教授)が登壇。「個人情報保護法の規制枠組みと改正の概要」と題し、個人情報保護法改正が医療分野に与える影響を解説した。

 米村氏はまず、個人情報保護法の改正理由として「個人情報の利活用の促進」「個人情報保護の強化」「国際的調和(EUの十分性認定)」「個人情報保護委員会の設置・規制権限の一元化」の4点を指摘した。特に、国際的調和が最も大きな理由だったという。

 法改正の議論が始まったのは2013年6月。ところがこの改正が「医療や医学研究に重大な影響を及ぼすことが認識され始めたのは、2015年9月の法案成立後だった」と米村氏は指摘する。背景には、並行して議論が進められていたマイナンバー法に報道が集中したことや、(2014年6月の医療法改正に盛り込まれた)医療事故調査制度に医療界の関心が向いていたことなどがあるという。医療や医学研究の視点からは「法律改正まで対策が取られず、これがさまざまな不幸の遠因となっている」(同氏)。

 改正個人情報保護法には「個人情報の定義の明確化」「個人情報の保護の強化」などの内容が盛り込まれたものの、匿名加工情報に関する加工方法や取り扱いなどの規定の整備をうたった点を除けば、「医療分野にとっては規制強化として働く」(米村氏)内容ばかりという。

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