「ISSCC(International Solid-State Circuits Conference) 2018」(2月11日~15日、米サンフランシスコ)では、無線通信に関わる回路技術はワイアレス分野の3つのセッション(Session 4/9/28)で活発に議論された。この分野ではセルラー通信(移動通信)のみならず、IoTの根幹を担う様々なワイヤレスシステム向けの回路技術や、レーダーなどのセンサーに向けたトランシーバーを実現するための技術が競われる。

 移動通信の世界は今まさに5Gへと向かって進んでおり、ISSCC 2018ではその中でも多くの注目が集まるMassive MIMOに向けたマルチアンテナのトランシーバー技術が披露された。カナダAnalog Devices社は28GHzのビーム・フォーミング・アーキテクチャーについて講演し、アナログとデジタルの構成を比較して5Gの時代に要求される回路技術を示した(講演番号 4.1)。デジタル・ビーム・フォーミングの可能性を示しながらも現状ではアナログ技術が有望だと結論付け、聴衆の関心を集めた。この分野では米Georgia Institute of Technology(論文番号 4.3)や米Qualcomm社(講演番号 4.4)、米Carnegie Mellon University(講演番号 4.5)からもマルチアンテナ向けの回路技術が披露され、活発な議論が行われた。5Gの幕開けが近く予定されていることから、このような新しい技術が今後のビジネスに向けて与える影響も予感され、会場からも多くの質問が寄せられた。

 ミリ波の通信分野では、東京工業大学が120Gビット/秒という、これまでの無線通信の記録を塗り替える大容量通信速度を達成したという内容で発表した(講演番号 9.6)。広いハンド幅(15GHz)を2チャネル使っており、広帯域回路の設計技術が注目された。60GHz帯域では、米Intel社がDual Polarization MIMOに向けたトランシーバー技術を報告したほか(講演番号 9.5)、米Broadcom社がIEEE 802.11adに向けた144素子フェイズドアレーを発表する(講演番号 4.1)など、こちらもマルチアンテナに進んでいる。今後の無線通信技術が指向性を持つビームにより、さらに多くのデータ量を、より多くのユーザーに提供することを示している。

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