楽天はヘルスケア情報のプラットフォームへ

弘前COI「3ダウンレシピプロジェクト」で見えたこと

2016/10/24 12:20
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス
楽天 アドソリューションズ事業 事業企画課 シニアマネージャーの向谷和男氏
クリックすると拡大した画像が開きます
 「病気になってからではなく、病気になる前に手を打つべきである。そのためには一般の人が理解しやすく有益な情報提供が必要だ」――。そう語るのは楽天 アドソリューションズ事業 事業企画課 シニアマネージャーの向谷和男氏。同氏は「デジタルヘルスDAYS 2016」(2016年10月19~21日、主催:日経BP社、協力:日経デジタルヘルス)のオープンシアタ―に登壇。同社と弘前大学が「革新的イノベーション創出プログラム(COI STREAM)」の一環として取り組む「3ダウンレシピプロジェクト」ついて語った。

 2016年4月に開始した3ダウンレシピプロジェクトは、楽天が運営するレシピ検索サイト「楽天レシピ」を通じて高血圧を予防する減塩レシピを広く推進するもの(関連記事)。心疾患や脳血管疾患など日本人の死因上位を占める高血圧由来の疾患を予防するため、「弘前大学の知見をレシピとして世の中に広めている」(向谷氏)。5カ月間で集まった3ダウンレシピは約1500品に上る。

 毎月約10万人の利用者が同プロジェクトのコンテストに出品したレシピを見ているという。同社の調査によると、51.3%の利用者が「高血圧療法への関心が高まった」と回答し、関心が高まったと答えたうちの62.0%が「レシピを試してみたい」と答えた。この結果から、「一度情報に触れると多くの人が実行に移すことが分かった」と向谷氏は話す。

地域の情報も吸い上げる

 一方、5カ月間の運用で見えてきた課題もあると指摘する。「発信源と拡散先が都市部に留まり、情報が地方まで伝わっていない」(向谷氏)。

 地方へも活動を広げるためには、「地域独自で行っている取り組みと、楽天が担う情報流通の働きをリンクさせることが必要だ」(向谷氏)と語る。そのために、弘前市に出向いて3ダウンレシピプロジェクトのコンテスト概要について説明し、集まったレシピを使った料理を振る舞ったという。

 向谷氏が驚いたのは、「タブレット端末を持っていても使い方が分からず、インターネットを普段使わない人がいること」だった。青森県ではヘルスケアに関して趣向を凝らした取り組みが行われているが、「全国から集めた情報を(楽天レシピなどを通じて)青森に届けることはできても、青森の活動を全国に伝えることは今のところできていない」(向谷氏)。

 そこで来年以降は、「地域の活動をインターネットに落とし込むことを支援していきたい」(向谷氏)と意気込んだ。今後はレシピに限らず、一般市民へヘルスケア情報を届けるため、プラットフォームの役割をより一層意識するという。