「健康KPIマップ」を作成

 そのほか、QOL(Quality Of Life:生活の質)を指標とした生活満足度に関連する「健康KPIマップ」も作成。生理学的な要因ではなく、社会生活との関わりから認知症に切り込んだ。その結果「65歳未満の男性の場合は、配偶者を介した生活時間で満足度を維持・向上できる。家族とのつながりを大事にしていると満足度につながりやすい」(村下氏)との傾向が見て取れた。

健康KPIマップの概要
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 しかし村下氏の考えでは、いくらビッグデータ解析をして病気の予測ができたとしても「健康意識の低い人たちは、そもそも記事を読んだり、情報に接したりしようとはしない。自分にリスクが降りかかって初めて自覚する。受け手側がきちんと認識して受け止める力がないと意味がない」。そこで、最終的に受け手が変わろうとする行動変容に結びつけることも視野に入れながら、健康リテラシーを高めようと試みている。

 その試みが「新型健診」の提唱だ。健康に関心の薄い人たちにも興味のわきやすいメタボ、ロコモ、口腔保健、うつ・認知症といった「4つの分かりやすい切り口」(村下氏)をテーマに、半日で終わる健診を実施。検査結果を即日還元することで単なる病気の判定ではなく、その後の行動変容につながる健康教育・啓発に役立てていく。「その場で判定して教育する。最先端のICTも活用して、アフターケアもしていきたい」(村下氏)。そして最後に、こう力強く結んだ。

 「岩木健康プロジェクトが始まってから12年が経過した。いくつかの指標が少しずつ良くなってきているものの、寿命延伸に反映されるのはもう少し先になる。寿命を1歳延ばすのは非常に大変なことだ。しかし我々は最先端と泥臭い部分を両立しながら、寿命延伸達成に向けてトライしていく」(村下氏)。