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大企業とヘルスケアベンチャーの“共通言語”を探せ(page 3)

MSD「ヘルステックプログラム」から見えてきたこと

2016/10/20 21:28
大下 淳一=日経デジタルヘルス

パッションこそを見よ

 認知症総合支援機構は、事業戦略全般のほか、「薬局」に着目したサービス開発に関するメンタリングを受けた。薬局は「地域のよろず窓口的な機能を持ち、住民が気軽に立ち寄れる。認知症に関する検査を薬局の薬剤師に担ってもらうようなサービスの機会を探りたい」(同社の安部氏)との思いにMSDが応えた。

 両社のディスカッションは既に具体的な成果を生んでおり、調剤薬局チェーンの総合メディカルと認知症総合支援機構の協業につながった。総合メディカルの店舗を使い、MCI(軽度認知障害)の検査を薬局で行う実証実験を行った。

MSDのGopal氏
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 講演に続くQ&Aセッションでは、MSDのGopal氏がヘルステックプログラムへの参加を通じて得たことや苦労したことを3氏に問いかけた。各氏のカラーがよく表れたのは「大企業(とのコラボレーション)に求めることは?」との問いかけに対する答えだ。

 ミナカラの喜納氏は「協業を通じて互いがキャッシュフローを生みだすことが大切。それがM&Aなどの動きにつながる。お金のことを腹を割って話すことは重要だと思う」と語った。「医療はいわば社会のインフラ。Facebookがコミュニケーションのインフラとして機能しているように、医療分野でも社会のインフラに近いものを大企業との協業から生みだしたい」(喜納氏)。

 エクスメディオの物部氏は、この分野の活性化に向けて、ヘルスケアベンチャーを「どんどん買収してくれる大企業」の登場を望んでいるという。企業が投資先などを探す際の資料となる「銀行のリストに、ベンチャーは載らない」(物部氏)とし、ベンチャーに関する情報をどん欲に集める必要性を訴えた。

 認知症総合支援機構の安部氏はこう語り、会場を沸かせた。「大企業から見ると、ベンチャーの人間の言動や服装は“失礼”かもしれない。だが、ベンチャーには事業へのパッションで生きる人間が集まっている。良い化学反応を生み出すためにも、ぜひ我慢強く我々と付き合ってほしい」。

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