経産省が説く、ベンチャーイノベーション(page 4)

2018/10/31 10:30
近藤 寿成=スプール

「排泄」は介護現場での精神的負担が大きい

 次に登壇したのは、トリプル・ダブリュー・ジャパン 日本支社長の小林正典氏。同社は排泄予知デバイス「DFree」とその関連サービスを展開しており、1st Well Aging Society Summit Asia-Japanのピッチコンテストの「Aging」部門でグランプリを受賞した。

トリプル・ダブリュー・ジャパン 日本支社長 小林正典氏
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 世界では病気や介護などで約5億人が排泄に関する悩みを抱えており、中でも高齢者の分野が日本でも「大きな課題になっている」(小林氏)。実際、介護現場において、最も大切であり負担も大きいのが「排泄」であるという。

 負担が大きい業務としては「入浴」や「食事」も挙げられるが、どちらも介護する側が決められた時間に決められた工程をこなせば済む。一方で「排泄」の場合は受け身にならざるを得ないため、精神的な負担も大きくなる。さらに、ある介護施設では排泄ケア関連の費用が全体の1/4にもなっているほか、あるデータによれば、尿失禁のある高齢者は転倒リスクが3.1倍、死亡リスクは最大4.2倍にもなるという。

 こうした課題解決に向けたソリューションが「DFree」というわけだ。超音波で膀胱の大きさをモニタリングし、排尿までのタイミングなどをスマートデバイスに知らせてくれる。小林氏によれば、導入した介護現場では「排泄ケア業務の効率化」「おむつ・パッド使用量の減少」「深夜徘徊による転倒の減少」といった効果が出ているという。さらに、リハビリテーション時の排泄の自立度改善にも役立っていることから、「今後は介護だけでなくリハビリの分野も含めて対応していきたい」と語った。

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