経産省が説く、ベンチャーイノベーション(page 2)

2018/10/31 10:30
近藤 寿成=スプール

国内外の投資を呼び込むために…

 AMED(日本医療研究開発機構)の「医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)」やNEDO(新エネルギー・産業技術総合開発機構)の研究開発型ベンチャー支援事業、さらには民間のベンチャーキャピタルなど、ベンチャー企業を支援するファンドは数多くある。しかし、その情報が分かりやすく入手しやすい状況にあるとは言えないことから、国としては「情報を整理して提供できる“ワンストップ窓口”を設置したい」(高熊氏)考えだ。

 さらに経済産業省では、ベンチャー支援の取り組みの一つとして、2018年6月に「J-Startup」をスタートした。有望なベンチャー企業を「J-Startup企業」として認定し、そのベンチャー企業を官民で積極的に支援することで、世界でも戦えるようなユニコーン企業に成長させていこうという取り組みである。

 2018年6月に発表したJ-Startup企業は92社で、そのうち医療・バイオ・ヘルスケア分野は25社にものぼった(関連記事)。この点を見ても、「日本では医療やヘルスケアが大きな課題として認知されているとともに、その課題をうまくビジネス化している有望なベンチャー企業がたくさん存在する」と高熊氏は言う。

 ベンチャー企業の支援において、大事になってくるのは「投資」である。ヘルスケアIT関連ベンチャーへの投資額を見てみると、日本は米国と比較して1/100、欧州や中国と比較しても1/10以下の現状にあるという。

 そこで経済産業省は、世界で戦えるようなベンチャー企業を育てる方法を模索するために、「健康・医療情報の利活用に向けた民間投資の促進に関する研究会(ヘルスケアIT研究会)」を発足。今後目指すべき方向性の一つとして、国内外の投資を呼び込むためには日本の現状を海外へ発信していくことが重要であると考え、2018年10月9日に「1st Well Aging Society Summit Asia-Japan」を開催した。

国際会議「1st Well Aging Society Summit Asia-Japan」の様子
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 1st Well Aging Society Summit Asia-Japanは、「世界から有識者や大企業、スタートアップ企業、投資家、官公庁などが一堂に会し、超高齢社会に対応する世界の取り組みやソリューションの方向性について論議する国際会議」(高熊氏)。当日は午前中にキーノートスピーチ、午後からは世界のベンチャー企業によるピッチコンテストを開催し、来場者は778人、登壇者62人という大きなイベントになったと高熊氏は振り返る(関連記事)

 スピーチやピッチによる情報発信はもちろん重要な要素の一つだが、高熊氏が大事だと考えているのは「Supporting Organizations」、つまりベンチャー企業をサポートする企業や自治体などの参画だという。今回のイベントでは66団体が参加したが、今後は「参加団体とベンチャー企業によるビジネスの種づくりや、参加団体同士のつながりによるイノベーションを期待している」と高熊氏は語った。

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