“冷え”を科学的に解明しQOL向上へ、クラシエ

2018/10/24 16:00
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

 冷えやフレイルと疾病の関係を明らかにする――。クラシエホールディングスは、2018年に参画した弘前COIでそんな課題に挑んでいる。

 冷えやフレイルに着目したのは、「QOLを低下させる未病の状態だから」と同社 経営企画室 企画部R&D戦略推進チーム 主任研究員で弘前大学大学院 医学研究科 特任助教の稲益悟志氏は説明する。弘前COIの持つビッグデータを活用することで、まずは冷えを科学的に解明し、いずれは冷えを予防することでフレイルを予防できるような早期介入ポイントを明らかにしたいとしている。

「デジタルヘルスDAYS 2018」のオープンシアターに登壇したクラシエホールディングスの稲益悟志氏
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 実は、冷えは軽度の「冷え性」と重度の「冷え症」に分類できる。冷え性は生活習慣の乱れが原因で冷えやすい状態のことで、冷え症は自律神経の乱れから血管障害が起きている状態である。冷え症は、ただ冷えやすいだけでなく不快感や苦痛が長く続く。これによってQOLが低下することが「問題だった」と稲益氏は言う。

 ただし、これまで冷え症はその原因を特定できていなかったため、西洋医学においては治療の対象ではないとされていた。一方、東洋医学では、冷えは万病の元であり根本的な治療が可能だとされている。

 同社は、東洋医学の考えに習って、冷えの改善を試みている。まずは冷えの実態を解明するため、弘前COIの岩木健康増進プロジェクトに参加し、血管状態などをモニタリングした。具体的には、冷えに関するアンケート調査に加えて指先の体温測定と血流測定、毛細血管画像撮影を行った。

記者の指先の毛細血管画像
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毛細血管画像を解析している様子
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 その結果、男性よりも女性のほうが冷えを自覚している人が多いことや、女性の約6割が冷えを実感していることが明らかになったという。「かなり多くの人が冷えに悩んでいることが分かった」と稲益氏は話す。

 さらに、冷え症に該当する人の毛細血管画像を検証したところ、毛細血管の一部が消失しかかっている様子が確認できたという。つまり、血管画像と冷えには相関関係が見られるというわけだ。今後は、冷えの原因を特定し、QOLを向上させる策について検討していきたいとしている。

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