「水を飲むこと」と健康の関係を明らかに、サントリーの挑戦

2018/10/24 10:00
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

 「全ての人が日常的に行っている飲水行動を、疾病の予防など健康的な行動変容につなげたい」。サントリー食品インターナショナル ジャパン事業本部 商品開発部 開発主任で弘前大学大学院 医学研究科 特任助教の浅野悠氏は「デジタルヘルスDAYS 2018」(主催:日経BP社、協力:日経デジタルヘルス)のオープンシアターに登壇し、こう話した。

 清涼飲料の商品を数多く手掛ける同社は、2017年11月に弘前大学医学研究科に共同研究講座「ウォーターヘルスサイエンス講座」を開設、弘前COIに参画して研究を進めている。具体的には、弘前COIが持つ健康な人の2000項目に渡るビッグデータを活用しながら、体内の水分量といった生体内の水に関わる検査項目を測定し、解析を行っているという。

「ウォーターヘルスサイエンス講座」を開設した
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 共同研究を通じて、「飲水行動を人々の健康につなげたい」と浅野氏は意気込む。健康との関係が明らかになれば、食事や運動に関するアプローチよりも手軽に健康増進を行える可能性がある。

サントリー食品インターナショナルの浅野悠氏
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 人は毎日水を飲む。例えば、1日5回水を飲む人が平均寿命まで生きると、生涯で15万回飲水行動をすることになる。既に日常的に行われている行動にも関わらず、水を飲むことと健康の関連性については「まだエビデンスがないために具体的な策を提案できない」(同氏)という。

 水と健康についてエビデンスが構築されていない原因の一つは、日本特有の問題にある。実は、日本人は日常的にみそ汁を飲む習慣があるため、食事から取る水分量が欧米に比べて多いという研究報告がある。つまり、水分の収支を正確に捉えることが難しいのだ。

 海外では既に観察研究の成果として、糖尿病などの疾患と水分摂取には関係があるという報告がなされたが、「実際のメカニズムは明らかになっていない」と浅野氏は言う。エビデンスが構築できないのは、水が生命にとって非常に重要なものなので、水を飲まないことでどういう現象が起こるかを調べる介入試験を実施することが難しいからだ。

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