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モーターなしのアシストスーツ、ゴムと布の変形を活用

軽量で着脱も容易、早稲田大学と旭蝶繊維

2018/10/11 17:30
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス

 モーターなどのアクチュエーターを搭載しないため、軽量で着脱も容易。そんなアシストスーツ「e.z.UP・イージーアップ」を早稲田大学 理工学術院 教授の田中英一郎氏らが、旭蝶繊維と共同開発した。2019年1月に発売を予定しており、「第45回 国際福祉機器展 H.C.R.2018」(2018年10月10~12日、東京ビッグサイト)で披露した。

アシストスーツ「e.z.UP・イージーアップ」
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 従来の一般的なアシストスーツは、モーターや空気圧などのアクチュエーターを使用しているため重く、長時間着用することが困難だった。一度装着すると簡単に着脱できないことも課題になっていた。

 こうした課題を解決するため、e.z.UP・イージーアップは腕から足の裏までベルトが連動する構造を採用した。これにより、動力源を必要とせずにゴムベルトと布の変形収縮によって作業時の筋活動を低減できるようにした。

 袖に腕を通してベルトを締めるだけの簡単な構造なので、1分程度で装着できる。スーツ自体の重さも約800gと軽量なので長時間の使用に向いている。アクチュエーターを搭載していないため、洗濯機で丸洗いすることができる。

ハムストリングに配置したゴムベルト
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 ゴムベルトは、上腕二頭筋と大殿筋(臀部の筋肉)、ハムストリング(下肢背面の筋肉)の上に設置した。膝や腰を曲げるとこれらのゴムベルトが連動して腕のベルトを引っ張り、持ち上げ動作時の筋活動を低減させる仕組みだ。

 さらに、スーツに使用する布にも工夫を施した。背中部分に長さの異なる2種類の伸縮可能な布を備え、一方の布を長めにとりたるませておく。こうすることで、腰を曲げ始めた段階では短い布のみ伸び、ある程度腰を曲げると長い方の布が伸び始める。2枚の布の長さを変えることで、腰を曲げる深さに応じて脊柱起立筋を補助することができるという。

 e.z.UP・イージーアップを使えば、上腕二頭筋と脊柱起立筋(脊柱の背側の筋肉)の筋活動のピーク値を3~5割低減させることが可能である。早稲田大学の田中氏は、「5~8kgくらいの物を持ち上げるのが楽になる」と話す。

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