普及に向けた4つの課題とは…

 医療をめぐる政策については昨今、「データに基づく科学的根拠を重視する流れが明確になっている」と吉村氏は指摘する。2016年度診療報酬改定で心臓ペースメーカーの遠隔モニタリングに対する扱いが見直されたことも、こうした流れに沿うものという。遠隔モニタリングの対象は今後、「疾病と診療行為の両面で広がっていくのが自然だ」(吉村氏)とし、在宅での呼吸管理など多くの場面に活用されることへの期待を示した。そのうえで、遠隔診療や遠隔モニタリングなどに関して「データに基づく科学的根拠を明らかにすることはまさに学会の役割。医療を前に進めるために学会のコミットを求めたい」(吉村氏)と参加者に呼びかけた。

 遠隔診療についてはこの先、参入する事業者が増えることは確実と指摘した上で、臨床現場への普及に向けた課題として次の4つを挙げた。(1)適応となる疾患や場面、診療行為の検討、(2)実施手順や法的整理の標準化、(3)有効性や安全性、医療機器としての承認手続きの確立、(4)診療報酬上の評価、である。

 このうち、診療報酬上の評価については「その時々の(政策などの)状況にもよるので、そこだけに視点を置くのは望ましくない。さまざまな事例を積み上げ、(遠隔診療に関する取り組みに)厚みを持たせていくことが20年後や30年後につながる」(吉村氏)との見方を示した。