フィリップスの強みは…

 フィリップスの強みは、予防から診断、治療、ホームケアの領域すべてにソリューションを提供できることだと堤氏は語る。「それらを一連のヘルスケアプロセスととらえ、モノとモノ、人とモノをマルチに“つなぐ”ことで全体最適のソリューションとなり、新たな価値創造が可能になる」(同氏)。

 “つなぐ”ためのヘルスケアICT基盤として、フィリップスは「ヘルススイートデジタルプラットフォーム」の構築を目指す。そこにクラウド、ビッグデータ解析、人工知能(AI)といった技術を生かすことにより、「患者の負担軽減による優しい医療ソリューションの提供が実現でき、医療従事者の生産性向上、働き方改革にも寄与できる」(堤氏)と展望する。

 その具体例として、堤氏は現在、国内外で進展している取り組みを幾つか紹介した。例えば、スマートフォンを用いた乳児発育追跡サービスの「uGrow」である。乳児の睡眠パターンや発育データなどを一元管理し、母親の育児不安や負担を軽減したり、データに基づいた予防や治療をサポートしたりするサービスだ。

 昭和大学病院と共同で実証研究に取り組む遠隔集中治療患者管理プログラムも紹介した。これは、ICU患者の状態・データをコントールセンターで遠隔管理しようという試み。「集中治療の専門医不足やICUベッドの地域格差を解消し、集中治療にかかわる医療従事者のワークフロー改善が見込める」(堤氏)。

 さらに、遠隔医療への取り組みの一つとして、病理学における世界最大級の画像データベースの構築を目指していることにも触れた。ディープラーニングを活用して病理医を支援し、精度の高いがん診断などに生かす研究が進展しつつあるという。