豊島屋向けにカスタマイズしたホンダの小型電気自動車(EV)「MC-β」。サイドドア以外のボディー外装は3Dプリンターで造った。素材はアクリロニトリル・ブタジエン・スチレン(ABS)樹脂。
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 これまでの製造業のウオーターフォール型開発から、IT業界では一般的なアジャイル型開発へ――。「CEATEC JAPAN 2016」(2016年10月4~7日、幕張メッセ)でホンダが公開した、3Dプリンターでボディー外装を造った小型電気自動車(EV)「MC-β」の脇には、こんな説明書きのパネルが掲示されていた(関連記事)。クルマでアジャイル型とは、一体どういうことなのか。

アジャイル型開発をうたう展示パネル。
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 「実は、展示車両がこの形で組み上がったのは展示の1週間ほど前です。3Dプリンターだからこそ、2カ月という短い開発期間でもさまざまなデザインを試せました」。そう語るのは、カブクのインダストリアルデザイナーである横井康秀氏である。今回の展示車両は、「鳩サブレー」などで有名な豊島屋のために開発されたものであり、ベース車両を除く部分のデザイン・設計・製造はカブクが手掛けた。同社は3Dプリンティングサービスを運営しており、複数の協力工場から成る「デジタル製造工場ネットワーク」を抱えている。今回の展示車両のボディー外装を製造するに当たっても、このネットワークを活用した。

 今回の展示車両は、豊島屋が本社を構える神奈川県鎌倉市内での配送に使われる予定だ。同市内の海水浴場の命名権を購入しても元の名前を残すなど“地元愛”の強い同社だけに、同市内を走ることになる小型EVのデザインや設計に対してもたくさんのこだわりがあった。もちろん、カブクはその要望を可能な限り取り入れようとするのだが、前例がないので実際に造ってみないと分からないということが多々あった。

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