2016年10月にドイツ・デュッセルドルフで開催予定の「K2016」(第20回国際プラスチック・ゴム専門見本市、2016年10月19~26日)。前回記事に引き続き、主催のドイツMesse Düsseldorf社が開催した事前説明会(Kプレビュー)から、有力企業がK2016で出展する内容を紹介する。さらに、環境に目を向け始めた欧州における日本の技術の立ち位置について、筆者の考察を述べたい。

ドイツBASF社

 現在、樹脂原材料メーカーとして世界トップの売上高を誇る。しかし、米Dow Chemical社と米DuPont社の合併により生まれる新会社が売上高トップの座を奪回する見通しである。

 「ecovio」は、ポリ乳酸(PLA)と「ecoflex」(脂肪族芳香族コポリエステル)からなるクローズドセルの発泡・生分解性樹脂である(図1)。発泡スチロール製使い捨て梱包資材などの代替を期待でき、海洋ゴミ対策に効果がありそうだ。BASF社は魚貝類、野菜果物、冷凍食品、家電製品などの梱包箱や梱包資材へのを検討しており、K2016では梱包資材グレードを販売すると発表した。

図1 「ecovio」(BASF社)で発泡成形された梱包箱蓋
図1 「ecovio」(BASF社)で発泡成形された梱包箱蓋
(写真:筆者)
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 「SLENTITE」は、高性能の断熱材用ポリウレタン(PU)・エアロジェルである。建材パネルの薄肉化、建築構造物の部屋面積の拡大に効果を発揮する(図2、3)。従来の化学発泡による標準的な発泡は、セル(泡)サイズが0.1mm(10万nm)であったものが、本素材では100nmと1/1000に微細になる。この発泡微細化によって断熱効率が向上し、建材の板厚を25~50%程度薄くできる。さらに、発泡の壁に空隙が生じることから、通気性を備えることも特徴だ。現在は研究開発段階で、2020年に生産開始予定である。

図2 「SLENTITE」と従来の化学発泡の構造比較。上段がSLENTITE、下段が従来の化学発泡
図2 「SLENTITE」と従来の化学発泡の構造比較。上段がSLENTITE、下段が従来の化学発泡
(出所:BASF社)
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図3 SLENTITE(一番右側)と従来断熱材の厚さの比較
図3 SLENTITE(一番右側)と従来断熱材の厚さの比較
(出所:BASF社)
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