眼球内を1枚の2次元画像に

白内障の術前検査に使うsantecの眼内寸法測定装置

2017/04/24 07:14
伊藤 瑳恵=日経デジタルヘルス
眼内寸法測定装置「ARGOS(アルゴス)」
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 角膜から網膜までを1枚の画像に表示し、眼中のさまざまな寸法を測る――。santecが「MEDTEC Japan 2017」(2017年4月19~21日、東京ビッグサイト)で披露した眼内寸法測定装置「ARGOS(アルゴス)」は、そんな機能を持つ装置だ。

 主な用途は白内障手術の術前検査。白内障は、眼内でレンズの役割をする水晶体が混濁してしまう病気。その治療の1つに、眼内レンズを挿入する方法がある。この際、挿入するレンズの度数を決めるために、術前に角膜から網膜までの長さを測定する必要がある。

 これまで白内障の術前検査では、超音波や光学式の装置を使って眼内のパラメーターを測定していた。しかし、超音波式では装置を目に接触させなければならなかった。光学式は非接触な測定を可能にしたが、眼内の各部位の境界面から反射する信号のピーク値を得るのみだった。測定結果をこのピーク値のみから読み取るため、「眼内で出血している箇所があると、別のピークが立ってしまうなど測定を誤る場合があった」とsantec プロダクトマネジャーの小川大介氏は話す。

アルゴスの機能説明(展示ブースのポスターより)
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 これに対してアルゴスは、近赤外光を使ったイメージング技術であるOCT(光干渉断層画像診断法)で眼内の寸法を非接触測定する。各部位ごとの屈折率や散乱度合いの違いから、角膜や水晶体、網膜を識別し、眼内を2次元画像と信号のピーク値で表示ことができる。

 アルゴスでは、信号のピーク値に加えて、2次元画像を得られることで、医師の診断を助けることができるという。画像を見れば、測定する際の目の傾きや硝子体内の出血なども確認することができ、正確な測定につなげることができる。

 従来の装置では深さ10mmまでの画像しか得られなかった。そのため、水晶体よりも手前の前眼部と、後ろ側の眼底を1枚の画像に表示することが難しかった。今回アルゴスでは、深さ50mmまでの画像を得られるようOCTのレンズに改良を施した。これによって角膜から網膜までを1枚の画像に表示することを実現した。

 同製品は2015年に欧米で、2016年に国内で販売を開始したもの。santecは同製品の開発でMEDTEC イノベーション大賞の期待賞を受賞した。

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