運動と食事、睡眠を改善して認知症を予防する――。スポーツクラブを全国展開するルネサンスが、東京都健康長寿医療センター監修の下、香川県三豊市、東京都豊島区と協力して実施した「軽度認知機能低下予防を目指す統合型介入プロジェクト」。2014年度の経済産業省「健康寿命延伸産業創出推進事業」に採択された事業である(関連記事)

 実証事業終了後、この取り組みは各地の自治体などにも波及し、大きく需要が拡大しているという。2016年3月14日に開催された「ヘルスケア産業の最前線2016」(主催:経済産業省)の第1部「地域を支えるヘルスケアサービス事業者の事例紹介」では、ルネサンス 取締役常務執行役員の高崎尚樹氏がその進捗について報告した。

事業報告を行ったルネサンスの高崎氏
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 ルネサンスなどが実施したプロジェクトは、認知症の予防に向けて「運動、食事、睡眠」の統合型プログラムとして構築したもの。運動については、言葉の発生と動作を同時に行うデュアルタスクメソッド「シナプソロジー」という同社が開発したプログラムに有酸素運動を組み合わせた。食事については、三豊市周辺の食材を使って開発した“瀬戸内式食事”を採用。レシピづくりも行い、料理教室も開いた。睡眠については、西川産業の協力を得て、質の高い睡眠のとり方を学ぶというものだ。

 これらのプログラムを「こころとからだの、活き活き健康教室」として、週1回(90分)・12回実施し、三豊市57人、豊島区98人の155人が参加した。「教室では、医師の指導のもと、(認知機能の評価指標である)TMT、MoCA-Jなどの詳細な検査やアンケートなども実施したが、頭も体も使い、楽しみながら行うことを重視して行った。また、教室のない日をどう過ごすかも重要であり、『1日遅れの日記』を毎日つけることもプログラムに組み込んだ」(高崎氏)。

 その結果、プロジェクト実施後の検査では、「注意実行機能が改善し、宣言的記憶機能にも改善が認められた」(高崎氏)という。この取り組みが、認知症予防に寄与できることを示した格好だ(詳細な調査報告書はこちら)。