「本気の産学連携」の「本気」とは、何をもって担保されているのだろうか。連携の規模の大きさや、大きな権限を持つ立場の人物が関与することが、必ずしも「本気」を裏付けているとは言えない。ましてや、規模が大きいから、権限のある人物が関与しているから連携が実を結びやすくなるとも言えない。

 日本企業では、産学連携以外でも、数多くの企業が参加する大規模で、トップが関与する幾多のコンソーシアムなどの取り組みをしてきた。そして、さしたる成果を挙げないまま、終わっていったものが多い。こうした例は、客観的に見れば明らかに失敗であるのだが、その規模が大きいこと、トップが関与した事案であったことから、明かな失敗を失敗として語ることがなく、次の連携をよりよくするための糧にしてこなかった。

 今回は、国内や海外の産学連携、コンソーシアムの取り組み事例を数多く知る服部コンサルティング インターナショナルの服部 毅氏が、日本の産学連携が抱えがちな危うさを指摘する。
(記事構成は伊藤元昭)

服部毅(はっとり たけし)
服部コンサルティング インターナショナル 代表
 大手電機メーカーに30年余り勤務し、半導体部門で基礎研究、デバイス・プロセス開発から量産ラインの歩留まり向上まで広範な業務を担当。この間、本社経営/研究企画業務、米国スタンフォード大学 留学、同 集積回路研究所客員研究員なども経験。2007年に技術・経営コンサルタント、国際技術ジャーナリストとして独立し現在に至る。The Electrochemical Society (ECS)フェロー・理事。マイナビニュースや日経テクノロジーオンラインなどに、グローバルな見地から半導体・ハイテク産業動向を随時執筆中。近著に「メガトレンド半導体2014-2023(日経BP社)」「表面・界面技術ハンドブック(NTS社)」がある(共に共著)。

【質問1】研究開発の現場同士ではなく、企業と大学それぞれのトップが進める大がかりな産学連携は必要だと思われますか。
【回答】まず「大がかりな産学提携」ありきが出発点なら無用。必要あるなしはテーマによるが、現場同士の本気な研究開発をもっと支援し積み上げるのが先だろう

【質問2】学術分野を超えた技術開発や社会実装法の策定を大学と連携して進めることに意義を感じますか。
【回答】大学を企業の開発部門代わりに使うのは、企業も大学もレベルダウンするだけ

【質問3】日本の企業は、グローバルな競争力を養うため、国内や世界の大学とどのように連携していくべきでしょうか。
【回答】企業はグローバルに連携、大学は早急な国際化を図れ

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