半導体事業は、判断を誤れば一発で会社が存亡の縁に立たされるほど巨額な設備投資を実施し、極めて長期にわたる見通しを持って研究開発投資をしなければならない。その判断を下す際には、参照すべき定量的データはあればあるほどよい。半導体関連の統計値は、こうした求めに応えるデータのひとつだった。

 統計は、同じ条件で継続して定点観測し続けることで、その価値が高まってくる。現在、WSTS(世界半導体市場統計)など多くの半導体関連の統計を算出する作業では、市場状況を映した情報を導き出せる基礎データを得にくくなっている。得られるデータと算出すべき予測値の間をどのようにつなぎ、確度の高い予測値を出すかは調査担当者の力量に掛かっている。そして、その負担は高まる一方だ。

 半導体関連統計の現状とこれからの接し方を論じている今回のテクノ大喜利、3番目の回答者は、この10月からコンサルタントとして独立したGrossbergの大山 聡氏である。キャリアの中で、調査会社に身を置く期間が長かった同氏が、半導体関連の統計の意義や抱えている課題を論じながら、統計値とどのように向き合ったらよいのか示唆する。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
大山 聡(おおやま さとる)
Grossberg 代表
大山 聡(おおやま さとる) 1985年東京エレクトロン入社。1996年から2004年までABNアムロ証券、リーマンブラザーズ証券などで産業エレクトロニクス分野のアナリストを務めた後、富士通に転職、半導体部門の経営戦略に従事。2010年よりIHS Markitで、半導体をはじめとしたエレクトロニクス分野全般の調査・分析を担当。2017年9月に同社を退社し、同年10月からコンサルティング会社Grossberg合同会社に専任。
【質問1】半導体関連企業が、統計値を出す業界団体にデータを出さなかったり、脱退する背景には何があると思われますか?
【回答】企業によっては、データの提出にほとんど、あるいは全くメリットがない、と思われるケースがある
【質問2】半導体関連の統計の信頼性が落ちたり、統計自体がなくなると、半導体関連やユーザー企業にはどのような不都合があると思われますか?
【回答】直近の半導体市況および過去からの動向に関する定量分析ができなくなる
【質問3】半導体業界の動きを探るための指標として、何を頼りにしたらよいと思われますか?
【回答】世界レベルの統計値がどうしても必要だが、台湾の半導体メーカーやユーザーが公表している各社の月次動向などを参考にするのも有効な手段

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