エンジン車の廃止に向けて、本気で取り組むこと。それは紛れもなく、世界中の国々の政府とさまざまな業種の多くの企業を巻き込んだ、未曾有のプロジェクトになるに違いない。生活・ビジネス・社会活動の中に広く深く根を張っているエンジン車を根絶やしにするのだから、思いつきと政府の号令だけで実現するような目標ではない。そして、周到で、合理性のある廃絶と代替を進めるシナリオが必要になろう。

 社会システムや産業構造の変革には、分かりやすく、インフルエンサーが同調しやすい動機が必要だ。エンジン車廃止の潮流も、廃止したいと考える動機が最も大きい国や地域から顕在化してくるのだろう。そして、そこでの試行錯誤と最適化を進めながら、世界に広がっていくのではないか。そもそも、牛や馬に代わって自動車が移動や輸送の手段と広がっていく過程もそうだった。

 「エンジン車廃止の潮流に商機を探る」をテーマに議論している今回のテクノ大喜利。4番目の回答者は、慶應義塾大学の田口眞男氏である。同氏は、エンジン車廃止が実現するためのシナリオを考察し、その中で生まれる電気・電子産業の商機を論じる。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
田口 眞男(たぐち まさお)
慶應義塾大学 先端科学技術研究センター 研究員
田口 眞男(たぐち まさお)  1976年に富士通研究所に入社とともに半導体デバイスの研究に従事。1988年から富士通で先端DRAMの開発・設計に従事。メモリーセル、高速入出力回路や電源回路などアナログ系の回路を手掛ける。2003年、富士通・AMDによる合弁会社FASL LLCのChief Scientistとなり米国開発チームを率いてReRAM(抵抗変化型メモリー)技術の開発に従事。2007年からSpansion Japan代表取締役社長、2009年には会社更生のため経営者管財人を拝受。エルピーダメモリ技術顧問を経て2011年10月より慶應義塾大学特任教授、2017年4月より同大学の先端科学技術研究センター研究員。技術開発とコンサルティングを請け負うMTElectroResearchを主宰。
【質問1】エンジン車の廃止に向けた、最大のボトルネックは何でしょうか?
【回答】政治的駆け引きや行政に翻弄されること、本質的にエネルギー補給手段が不便なこと
【質問2】エンジン車の廃止に伴って、電気・電子業界に生まれる最大の商機は何でしょうか?
【回答】新しい自動車ビジネスの創出
【質問3】商機をつかむために、どのようなアクションをすべきでしょうか?
【回答】世界のスタンダードを一刻も早くつかむ

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