2017年中には、人工知能(AI)処理を高速化することをうたったAIコアを製品化したとする発表がたくさんあった。また、AIを活用して予知保全を実現するITソリューションの発表も多くあった。こうした発表を行った企業の中の数社は、次のような言葉を口にして自社製品の優位性を訴求していた。「うちの製品は、実際に動かすことができます。そして、額面通りの効果を期待できます」。

 こうした言葉が訴求点となる背景には、AI関連の技術や製品の発表の中に、多くの未完成品や未検証品が紛れていた現状がある。中には、実態を伴わないブラフ(はったり)と呼べるような技術発表も少なからずあるらしい。

 クラウドファンディングの中には、期待をあおり、資金を集めるだけ集めたあげく、実際には完成しない製品が数多くある。AIの世界では、同様のマーケティング先行型ビジネスを大企業が展開している場合がそうだ。AIに対するユーザー側の大きな期待に応えないと見向きもされなくなる恐怖感から、構想中の技術を「エイや」とばかりに発表してしまうのだという。こうした技術発表を信じて振り回されたユーザーの中には、AI自体に幻滅してしまうケースも見られる。

 「大喜利回答者、2018年の注目・期待・懸念」をテーマに、各回答者が注目している2018年の動きを挙げていただいている今回のテクノ大喜利。5番目の回答者は、テカナリエの清水洋治氏である。同氏は、期待先行、話題先行の技術応用の気運にクギを挿し、2018年は冷静で的確な状況判断を下すことの重要性を訴えている。

(記事構成は、伊藤元昭=エンライト
清水洋治(しみず ひろはる)
テカナリエ 代表取締役 技術コンサルタント
清水洋治(しみず ひろはる)  ルネサス エレクトロニクスなど半導体メーカーにて、1980年代から2015年まで約30年間にわたって半導体開発に従事した。さまざまな応用の中で求められる半導体について、豊富な知見を持っている。2015年から、半導体、基板、およびそれらを搭載する電気製品、工業製品、装置類などの調査・解析、修復・再生などを手掛けるテカナリエの代表取締役 上席アナリスト。
【質問1】2018年に産業や社会に大きなインパクトを与える注目すべき動きは何ですか?
【回答】実態と理想のギャップ
【質問2】長期的観点から発展や成長、ブレークスルーの登場を期待していることは何ですか?
【回答】 7nm製品の登場
【質問3】2018年に産業や社会へのネガティブな影響を及ぼしそうな懸念点は何ですか?
【回答】検証漏れ

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