シリコンバレーでは、さまざまな「アクセラレーター」が開催する「デモデー」を見る機会がある。メディアに特化したアクセラレーター「Matter」が2016年10月28日に米サンフランシスコで開催したデモデーでは、「メディア」の定義が広がっていることを感じた。

 アクセラレーターは、スタートアップを3カ月から半年といった期間サポートし、そのビジネスを「使える」段階にまで育成する存在だ。シリコンバレーにはインターネットビジネスだけでなく、ハードウエアを対象としたアクセラレーターもあるが、今回デモデーを見たMatterは、メディア関連のスタートアップに特化している。

写真●Matterが米サンフランシスコで開催したデモデーの様子
撮影:瀧口 範子
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 Matterは既に6期、50社近いスタートアップを育成してきた実績がある。スタートアップには5万ドルの資金やオフィス、アドバイザーによるセミナーなどを提供する。育成期間は5カ月で、創業者はその間にアイデアをビジネスへと育てる知識を学び、訓練を受けながらそれを実践していく。

 Matterは今年からサンフランシスコだけでなく、メディアビジネスの中心地であるニューヨークにも拠点を設け、6社をサンフランシスコで、6社をニューヨークで育成している。育成期間中には、育成対象の全社が一堂に会してワークショップに参加する機会もある。10月28日にサンフランシスコで開かれたデモデーにも、12社がそろっていた。

 Matterのデモデーで刺激を受けるのは、スタートアップが考える「メディア」の意味が非常に広いことだ。

 Matterが育成したスタートアップには、結婚式のアレンジを全てオンラインでできる仕組みを構築した「Menagerie」や、少女たちがエンジニアリングや建築に親しめるよう、設計から3Dプリンティングの注文までを人つなぎにしたプラットフォームを提供する「Kirakira」など、我々が考える「メディア」とは直接関係が無いようにも見える会社が存在する。

スタートアップのアイデアを既存メディアも学ぼう

 MatterのマネージングパートナーであるCorey Ford氏によると、そうした広い定義こそが、今メディアに求められているものでありこうした会社のビジネスモデルや収益方法に注目すべきなのだという。確かに、これらの仕組みを従来のメディア企業取り入れたらどうなるか、情報ビジネスと並列して提供したらどうなるかと考えるだけでも、頭の体操になりそうだ。

 上記の2社以外にも、メディアの仕組みを刷新するさまざまなアイデアが紹介された。

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